NTTグループ、作業者の危険状態を判定するマルチAIを活用した電気通信設備工事の安全向上の取り組みを実現

安全対策の取り組みは、経験値や目視に頼る部分が多く、特に安全対策が求められる脚立での作業を伴う工事では、現地で現場監督者が工事作業者に注意喚起するだけでなく、工事模様を撮影した動画を安全監視員が目視で確認し、危険作業があった場合には事後指導などが行われており、安全対策の高度化と効率化が課題となっている。

そこで、日本電信電話株式会社(以下、NTT)、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)、エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)の3社は、脚立などの物体認識と作業者の姿勢推定AIを組み合わせて、作業者の危険状態を判定するマルチAIを活用し、電気通信設備工事の安全向上に関する実地検証を、2021年6月から2021年10月まで行った。

脚立作業において、危険状態とされるものとして下図のような例があるが、実際の作業内容を撮影した映像をAI解析エンジンにかけ、これらの危険状態の検出可否について検証を行うとともに、検出状況を画面上に表示する仕組みの開発・検証を行なった。

NTTグループ、作業者の危険状態を判定するマルチAIを活用した電気通信設備工事の安全向上の取り組みを実現
脚立作業における危険状態の例。

実地検証で活用されたマルチAIは、撮影映像から人間の骨格情報(体の向きや手の位置等の姿勢)を取得し、工事作業の安全性確保において重要な意味を持つポーズを推定し、危険状態を検出。検出したポーズと、脚立など他の検出物体との相互関係から、危険状態を複合的に判断する。

NTTグループ、作業者の危険状態を判定するマルチAIを活用した電気通信設備工事の安全向上の取り組みを実現
AIが人間の骨格情報や脚立の位置を検知する様子。

また、AIが危険状態を検出した時間帯を色の帯で表示し、種別ごとにスキップ再生しながら確認することができ、注意喚起のコメント入れやズーム表示が可能だ。

実地検証の結果、電気通信設備工事に欠かすことのできない脚立での作業において、検出率の高いものでは約80%の精度で検出し、安全確認工程の稼働を6割削減できることが確認された。

今後は、これまでは対象件数が膨大であることから事後確認が難しかった工事についても、マルチAIなどの技術を用いることで確認対象を広げ、より広範囲の危険状態の把握に取り組む予定だ。

また、過去動画から危険作業を抽出し、実例を動画で示すことで、作業者に対してより具体的な安全指導が可能となることから、指導品質の向上にも役立てていく、としている。