清水建設とグルーヴノーツ、量子コンピュータを活用した土砂運搬計画に関する実証プロジェクトを開始

高速道路やトンネル、ダムなど、土砂の搬出入量が膨大な建設現場では、運搬作業の効率が工事全体の進捗を大きく左右する。土砂の搬出入ルートが複数ある場合、ダンプトラックごとに当日のルートを固定して運搬していた。しかし、この方法では突発的な渋滞などへの対応が難しく、状況に応じたリアルタイムなルート選択が課題になっていた。

清水建設株式会社と株式会社グルーヴノーツは、土木工事の生産性向上を目的に、量子コンピュータなどのICT技術を活用してダンプトラックによる建設発生土(土砂)の運搬計画を最適化する共同実証を実施した。

同プロジェクトでは、土木工事においてダンプトラックが土砂の搬出場所と搬入場所、一部は待機場所を経由して行き来する際に、それぞれの場所での運搬条件や各ルートの混雑具合などを踏まえてタイムロスの最も少ないルートを導き出す。この最適なルート計画は、清水建設の工事現場で稼働するダンプトラック約40台に対して、グルーヴノーツの量子コンピュータを活用できるクラウドプラットフォーム「MAGELLAN BLOCKS」を用いて計算している。

具体的には、まずダンプトラックに搭載されたGPSのログデータをもとに、MAGELLAN BLOCKSでルートごとのダンプトラックの走行車数や速度、滞留時間、ダンプトラックと土量の稼働率等の分析を行い、顕著な低速運行エリアなど滞留状況を可視化する。こうした滞留状況や運搬条件を考慮して、最適なルートを探索する量子コンピュータモデル(イジングモデル)をMAGELLAN BLOCKSで構築し、量子コンピュータマシンを通じて検証を行った。

その結果、走行台数を変えることなく1日当たりの運搬量を約10%増加できることを確認し、建設現場の生産性向上が期待できる。また、これによりSDGs達成につながるCO2排出量削減や渋滞緩和の効果も見込める。

現在は、MAGELLAN BLOCKSでGPSデータやナビデータ等をリアルタイムに取得し、実際の道路交通状況を加味した最適なルートをドライバーに指示する走行実証を行っている。