名古屋大学とKDDI総合研究所、自動運転で人の送迎と商品の配達を同時に行う実証実験を開始

愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウン地区は、まちびらきから50年以上が経過し、初期入居者が一斉に高齢期を迎えている。坂道が多い土地柄や人口減少などによる路線バスの運行本数の減少から、運転免許証返納後の移動手段に不安を抱える人が多くなっている。また、米や飲料などの重い荷物やかさばる荷物を持って移動することに不便に感じる人も増加している。

春日井市、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学、株式会社KDDI総合研究所は、これまでに同地区内の移動を支援する自動運転サービスの実証実験などを複数回にわたり実施してきたが、人の送迎のみでは車両の空き時間が発生し非効率な運用になってしまうことや、車両の稼働率が低いと将来事業化した際に採算が見込めないことが課題となっていた。

このほど、3者は高蔵寺ニュータウン地区における新モビリティサービスによる地域活性化を目的として、自動運転車「ゆっくりカート」による人の送迎に加えて、同一車両を用いて商品の配達を行う、貨客混載型の自動運転×MaaSの実証実験を、2022年2月1日から2022年3月11日の間、実施する。

同実証実験では、あらかじめ登録された128カ所の停留所(店舗2カ所を含む)間を、ユーザーからの乗車・配達注文の予約に応じてルートを決定し、ゆっくりカートを運行する。運行にあたり、KDDI総合研究所が2021年6月に開発した、複数予約の運行経路設定や相乗り調整を自動で行う運行管理システムを貨客混載型に改良し、利用する。

同システムは、人の送迎・商品の配達に関して、異なる時間的制約を設けて配車調整、運行経路の設定を行い、ゆっくりカート内に設置された自動運転システムへの登録といった機能を自動化する。これにより、人の乗降車を優先し、その合間に商品を配達するといった効率的な運行が可能となる。今回の実証実験では、人と人、人と商品、商品と商品のような複数パターンの相乗りを考慮しつつ、以下のような各種制約条件を満たした上で、走行距離が最短になるように、巡回ルートの自動調整を行う。

  商品
時刻 乗車時刻または降車時刻の遅延は数分~十数分程度までを許容 到着時刻は、1~数時間の幅で変動することを許容
停車時間 乗降車の所要時間は数十秒~1分程度 商品の積み込みや引き渡しには数分程度必要
座席数 ひとりに対して1席 商品の数や大きさにより必要座席数を計算
名古屋大学とKDDI総合研究所、自動運転で人の送迎と商品の配達を同時に行う実証実験を開始
人と商品の配車要件を考慮した優先制御について
同実証実験において、春日井市は広報活動、実証実験地区への協力依頼、住民参加の募集を行い、名古屋大学は自動運転の実証実験企画および自動運転車の運行、KDDI総合研究所は自動運転の運行管理システムの開発・運用支援を実施する。

なお、同実証実験は、内閣府・総務省・経済産業省・国土交通省が連携し選定する令和3年度スマートシティ関連事業のうち、経済産業省「無人自動運転等の先進MaaS実装加速化推進事業(地域新MaaS創出推進事業)」の実証事業に採択された取り組みである。