IDC、2022年のAIソリューションへの企業支出は19.6%増加と予測

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IDC Japan株式会社は、全世界のAI市場についての予測を発表した。IDC Worldwide Semiannual Artificial Intelligence Trackerの最新リリースによると、ソフトウェア、ハードウェア、サービスの各カテゴリーを含む全世界のAI市場は、2022年には前年比19.6%の成長が見込まれ、売上額は4,328億ドルと予測しており、この市場は2023年には、5,000億ドルを突破すると予測した。

「次なるイノベーションの巨大な波としてAIが登場しました。AIソリューションは、今のところビジネスプロセスの問題を焦点としています。その問題とは、人間の能力の増強からプロセスの改善、プランニングと予測、優れた意思決定と成果を強化し、なおかつ多岐に渡っています。言語、音声、視覚テクノロジー、そして複合的なAIソリューションの進歩により、人間の効率性に革命的な変化が起こりつつあります」と米国IDC Worldwide Artificial Intelligence and Automation Research グループバイスプレジデント Ritu Jyoti氏は述べている。

また、「全体として、AIに人間の能力をプラスすることが、密度の濃いデジタルトランスフォーメーションの時代に企業が拡大・成長するための差別化要因になります」と述べた。

3つのテクノロジーカテゴリーのうち、2022年にはAIハードウェアおよびAIサービスの支出成長ペースが速まる結果、支出額におけるAIソフトウェアのシェアが若干低下することが予測されている。この傾向は2023年まで続く見通しだという。全体として、今後5年間で最も急速な支出増加が見込まれるのはAIサービスであり、年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は22%と予測している一方、AIハードウェアのCAGRは20.5%と予測している。

AIソフトウェアのカテゴリーでは、AIアプリケーションが2021年前半の支出額で47%を占めており、次いでAIシステムインフラストラクチャソフトウェアが35%となっている。成長率の観点で最も大きい伸びが予測されるのはAIプラットフォームであり、5年間のCAGRが34.6%と見込まれている。最も成長が遅いセグメントはAIシステムインフラストラクチャソフトウェアで、5年間のCAGRは14.1%とIDCは予測している。

AIアプリケーションのセグメントでは、AI CRMやその他のAIアプリケーションと比べて、AI ERMが今後数年間で最も急速な成長が見込まれている。同Trackerで名前が挙がっているすべてのソフトウェア市場のうち、最も急速な成長が見込まれるのはAIライフサイクルソフトウェアであり、5年間のCAGRは38.9%と予測している。
IDC、2022年のAIソリューションへの企業支出は19.6%増加と予測
AIサービスのカテゴリーでは、AI ITサービスが2021年の前半に前年比20.4%の成長を示し、世界全体の支出額が184億ドルに達した。この成長率は、2022年には22%に伸び、予測期間の終わりまで同じペースで成長が続く見通しだ。AIビジネスサービスも成長率の観点で大差はなく、5年間のCAGRは21.9%と見込んでいる。2025年には、AIサービスの全体的な支出額が526億ドルに達するとIDCは予測している。

「AIは引き続きIT投資の主要な促進要因です。持続可能性のあるAIの適用を大規模に行うため、関連サービスへの支出も同時に促進されます」と米国IDC Analytics and Intelligent Automation ServicesリサーチマネージャーのJennifer Hamel氏は述べている。

また「実用レベルのAIソリューション開発における専門知識への顧客需要が、ITサービスの拡大を促しています。同時に、適切な組織、ガバナンス、ビジネスプロセス、人材戦略の確立における専門知識の必要性も、ビジネスサービスへの支出を活発化させています」と述べた。

ソフトウェアおよびサービスと比べて、AIハードウェアのカテゴリーはマーケットシェアの観点で最も大きく成長しており、2021年の前半にシェアが0.5%増加した。2022年にはマーケットシェア5%に達し、前年比24.9%の成長が予測されている。AIストレージは2021年前半、AIサーバーよりも強力な成長を示した。ただし、2022年にはこの傾向は逆転する見通しとしている。

AIストレージの成長率19.7%に対し、AIサーバーは26.1%の成長が予測される。支出額に占めるシェアの観点では、AIサーバーが80%以上の圧倒的なシェアとなっている。

「さまざまなAI市場セグメントにおける支出額全体から見ると、AIハードウェアの割合は小さいものに過ぎません」と米国IDC Performance Intensive Computing リサーチバイスプレジデントのPeter Rutten氏は述べている。また「このことが企業に対して物語っていることは、AI専用のハードウェアに少しずつ支出するのは非生産的だということです。AIモデルのサイズ拡大と複雑性の増加によってコンピューティング需要が急増していることを考えるとなおさらです」と述べた。
IDC、2022年のAIソリューションへの企業支出は19.6%増加と予測