IDC、国内法人向けWANサービス市場の2021年~2026年における年間平均成長率はマイナス0.3%と予測

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IDC Japan株式会社は、国内通信サービスの市場予測を発表した。

これによると、2026年の国内法人向けWAN(Wide Area Network)サービス市場は6,363億円。2021年~2026年の年間平均成長率はマイナス0.3%と予測している。

IDCでは、国内法人向けWANサービス市場の今後5年間について、L3ベストエフォート、イーサネット専用線、5G通信サービス、IoT通信サービスを中心に成長し、代替サービスへの切り替えが進むレガシー専用線を除くWANサービス市場全体では、成長率はわずかにプラスで推移すると予測している。

2021年の国内法人向けWANサービス市場は、前年に引き続き L3(レイヤー3)ベストエフォートとイーサネット専用線が、他のサービス種別よりも高い成長を遂げた。

売上額の前年比成長率は、L3ベストエフォート(ワイヤレスを除く)が2.4%、イーサネット専用線が6.4%となっている。

L3ベストエフォートの成長の背景には、企業システムのクラウドマイグレーションに加え、在宅勤務の拡大によるWeb会議の増加によって増大したトラフィックにコストを抑えながら対処する際に、帯域確保型に比べ安価に利用帯域を拡大できることがあるとみられている。

イーサネット専用線の利用においては、データセンタ間接続や、パブリッククラウド接続用途の回線が需要を牽引した。

データセンタ事業者などの中間事業者によるパブリッククラウド接続ネットワークの集約と、トラフィックそのものの増大によって広帯域化が進み、需要の中心が1Gbps品目から10Gbps品目へと移行しつつあるという。

また、通信サービス市場に含まれる5G通信サービス市場や、法人向けワイヤレスIoT通信サービス市場も順調に成長。5G通信サービス回線数の2021年における前年比成長率は、304.8%となった。

現在、販売されている携帯電話端末のほとんどが5Gに対応しており、これに伴い5G通信サービス市場も急拡大している。3G停波を見越した端末の乗り換えが進んだことや、半導体不足の緩和によって出荷台数が増えたことなどが5G通信サービス市場の伸びを後押ししている。

法人向けワイヤレスIoT通信サービス市場も堅調に拡大しており、2021年における支出額の前年比成長率は13.6%。市場拡大を牽引しているユースケースは、コネクテッドカー、電力スマートメーター、LPガス検針など、多数のエンドユーザを抱える企業による利用だ。

一方で、IoT通信サービスの通信料金は低廉であり、DXプロジェクト全体から見ればユーザ企業の投資に占める割合は必ずしも高いわけではない。

IDCは、より大きな部分を占める、DXプロジェクトによる経営改善効果に対する対価を自らの収益とするため、通信事業者は、自ら経営改善提案能力を獲得すべきであるとしている。

IDC Japan株式会社 コミュニケーションズのリサーチマネージャーである山下頼行氏は、「法人向けWANサービス市場では、セグメントによって成長率の差が顕著であり、成長の見込めるベストエフォート型やデータセンター間接続などのセグメントに注力すべきである。また、5G端末の普及と高速通信エリアの拡大はモバイル通信サービスの在宅勤務での活用の可能性を広げ、WANサービスとの一体提供の必要性を高めている」と述べている。

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