エプソン、6軸センサーの慣性計測ユニット(IMU)「M-G364」「M-G354」で農業機械の自動運転や建設機械の制御に貢献

セイコーエプソン株式会社(以下、エプソン)は、6軸センサーの慣性計測ユニット(IMU)(*1)の新製品として、『M-G364』、『M-G354』を商品化した。両機種ともに、2016年5月からサンプルおよび量産出荷を開始するという。

組み込みタイプの同新製品は、顧客の要望に基づきジャイロバイアス安定性(*2)、ロバスト性(*3)などの性能向上や、GPSとの連動などについてさらなる改善を行なったものだ。その結果、農業機械の自動運転、建設機械の制御、ドローンなどの無人機の姿勢制御をはじめとした顧客のシステムへの組み込みにおいて、さらに使いやすくなった。

新製品は、エプソン独自のQMEMS(*4)技術によるジャイロセンサーを搭載することで、高いジャイロバイアス安定性(M-G364:2.2°/hr、M-G354:3°/hr)と、幅広い用途に対応できるセンサーレンジ(M-G364:±100dps、M-G354:±450dps)を実現した。

また新機能としてデルタアングル・デルタベロシティ(*5)出力に対応。この機能により、GPSを用いた慣性航法(*6)アプリケーションにおいて、積算誤差の低減による位置算出精度の向上と、顧客のシステム設計工数の削減が可能となる。

さらに新規の設計プラットフォームを採用することで、耐衝撃性・耐振動性を高めつつ、消費電力を従来製品(M-G362、M-G352、M-G350)から40%の削減に成功。データ出力方式は、従来同様にSPI/UARTのデジタルインターフェイスに対応している。

 
<同製品の仕様>

M-G364 M-G354
サイズ 24 × 24 × 10mm
重量 10g
精度・安定性 ジャイロバイアス安定性 2.2°/hr 3°/hr
角度ランダムウォーク 0.09°/√hr 0.2°/√hr
6軸センサー 3軸ジャイロセンサー ±100°/sec、
±200°/sec
±450°/sec
3軸加速度センサー ±3G ±5G
出力分解能 16/32bit
デジタルシリアルインターフェイス SPI/UART
工場出荷時での内部補正 精度、バイアス、軸間精度
データ出力精度 ~ 2000Sps
校正温度範囲 -40℃ ~ +85℃
動作温度範囲 -40℃ ~ +85℃
消費電力 18mA(Typ.)@3.3V
その他の機能 デルタアングル・デルタベロシティ出力、
外部トリガー入力など

 

(※1)慣性計測ユニット(Inertial Measurement Unit、通称IMU):3軸の角速度センサーと3方向の加速度センサーからなる慣性運動量を検出する装置。主に運動体の挙動の計測・制御を目的として使用。
(※2)ジャイロバイアス安定性(Gyro Bias Instability):指定された有限のサンプル時間と時間間隔の平均より計算されるジャイロ出力バイアスの1/fノイズ密度の特徴を持つ不規則変動量。
(※3)ロバスト性:外的要因による変化を内部で阻止する仕組みや性質。
(※4)QMEMS:安定・高精度などの優れた特性を持つ水晶素材である「QUARTZ」と、「MEMS」(微細加工技術)を組み合わせた造語。半導体を素材としたMEMSに対して水晶素材をベースに精密微細加工を施し、小型・高性能を提供する水晶デバイスを「QMEMS」と呼んでいる。
(※5)デルタアングル・デルタベロシティ:角速度センサー値および加速度センサー値をそれぞれ積算して出力する機能。
(※6)慣性航法:検出した慣性データを基に自分の位置を求める航法。

 

【関連リンク】
エプソン(EPSON)

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