DNP、ジェムアルトとIoTのセキュリティで協業

大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、デジタルセキュリティ分野のオランダのGemalto N.V.(以下:ジェムアルト)と、IoTのセキュリティ分野で協業する。

IoT用のデバイスは、2020年に全世界で500億台規模になるとの予測もあり(*1)、多様な場所で設置・利用される見込みだ。その際、デバイス自身、またはデバイスとサーバー間の通信のセキュリティが低いと、悪意ある第三者によるデータの盗難や改ざんなどの被害を受ける恐れがある。

海外では既に、電力使用量をデジタルで計測するスマートメーターのハッキングによるデータ改ざんなど、IoT用のデバイスが攻撃対象となり被害を受ける事例が生じている。また、今後コネクテッドカーや自動運転車の普及が期待される自動車業界では、ハッキングによる制御の乗っ取りの危険性なども指摘されている。このような状況に対して、IoTのセキュリティ対策のさらなる強化が求められている。

DNPは1980年代から、ICカードのソフトウエア開発や製造・発行および認証サービスなどを手がけており、国内のキャッシュカードやクレジットカード、携帯電話のSIMカードなどで実績がある。これらの実績を通じて培った技術やノウハウを活かし、高セキュリティなIoT環境を実現するゲートウエー端末や関連するアプリケーションなどの開発を進めているという。

またジェムアルトは、金融、政府系、モバイル、交通、M2M(機器間通信)などの幅広い分野において、信頼性と利便性を備えたデジタルセキュリティソリューションを、世界各国の企業や政府とそのユーザーに向けて展開している。

DNPとジェムアルトは、IoTのセキュリティ分野での協業にあたり、ICカード技術をIoT向けに活用したセキュアなIoTプラットフォームを開発する。

具体的には、同プラットフォームでは、IoT用のデバイスとサーバー間の通信において、インターネットで標準的に利用されているプロトコルであるTLS(Transport Layer Security)(*2)を用いるという。TLSの相互認証に用いる暗号鍵やデジタル証明書を、耐タンパ性の高いSAM(Secure Application Module)(*3)に格納することで、不正アクセスや改ざんを防止し、より安全にデバイスとサーバー間の相互認証を行うことが可能になる。

また、暗号鍵やデジタル証明書、アプリケーション等をセキュアに配信するサービスも行う。同プラットフォームにより、IoT用のデバイスと通信のセキュリティを向上させ、より安心・安全なIoTのエコシステムを実現することが可能になるという。

両社は、国内外で同プラットフォームを用いた実証実験、標準化活動、および営業活動などを共同で推進していくとしている。

DNPは、社会的なニーズが高まっている情報セキュリティへの対応を強化して、コンサルティングやマーケティングなどを含めた各種情報セキュリティソリューションを提供している。DNPは今回のジェムアルトとの協業を通じて、高いセキュリティが要求される金融、通信、重要インフラ、製造、医療などの分野を中心に、両社で開発した製品やサービスを提供していくという。

*1 Cisco IBSG(Internet Business Solutions Group)の調査 2011年
*2 TLS(Transport Layer Security):インターネット上でデータを暗号化して送受信できるトランスポート層のプロトコル
*3 SAM(Secure Application Module):セキュアICチップに、データ暗号化、認証、機密情報保護等のセキュリティ関連のアプリケーションを搭載したモジュール

【関連リンク】
大日本印刷(DNP)
ジェムアルト(Gemalto)

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