アメリカ、中国、インド、日本のモバイルマーケティング戦略 GMIC Tokyo 2015

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先日開催されたGMIC TOKYO 2015では「グローバルモバイルマーケティング戦略及びローカライズの成功要因」というテーマについて、パネルディスカッションが行われた。

スピーカーは、株式会社CyberZ 取締役 青村 陽介氏、btrax.inc CEO ブランドン ヒル氏、AdMaster Inc. COO Calvin Chan氏、Vserv Co-founder & CEO Dippak Khurana氏、モデレーターはヘイロー株式会社 代表取締役社長 梅澤 亮氏。

 

マーケット戦略や成功事例について

btrax.inc CEO ブランドン ヒル
GMIC、アメリカ、中国、インド、日本のモバイルマーケティング
モバイルアプリケーションの作成者、出版社はトラッキングなどの方法を含め色々な方法で宣伝をします。アメリカの多くの会社がソーシャルメディアでのキャンペーンに力を入れて取り組み、方法として懸賞などを実施しています。

 

AdMaster Inc. COO Calvin Chan
GMIC、アメリカ、中国、インド、日本のモバイルマーケティング
人口が増え続ける中国で、性教育や避妊の大切さを人々に広めるためのDurex Babyというアプリが、ソーシャルメディアを使ったキャンペーンでユーザー数を伸ばしました。これは、ベビーを育てたりする経験を、他のユーザーとソーシャルメディア上で共有することが可能なアプリです。

 

株式会社CyberZ 取締役 青村 陽介
GMIC、アメリカ、中国、インド、日本のモバイルマーケティング
私たちは広告主さんと色々なプロモーションをご一緒してたくさん成功しているのですが、最新の事例をお話します。日本のユーザーさんは飽きやすいんですが、戻ってきたいという欲求もあります。ここに並んでる他の国の方と比べるとユーザー数は少ないんですが、再活性されやすいユーザーさんが多いので、リターゲティングという手法はすごく主流になってくると思います。

 

Vserv Co-founder & CEO Dippak Khurana
GMIC、アメリカ、中国、インド、日本のモバイルマーケティング
インドでは、電話をするときに不在着信を暗号のように使って、電話料金を抑えることができるMissed Call Serviceというアプリケーションが人気になりました。プリペイド形式で携帯代を払わなければいけないインドの人々にとって、不在着信は料金を抑える最善策だったのです。この方法を企業や会社の間でも取り入れられるようになり、不在着信を「到着しました」「受領しました」などの簡単なメッセージを伝える代わりとして使われています。

 

インドでの不在着信マーケティングが他の国でも有効か?という質問に足しては、全ての国のパネリストがNOと答え、基本的にコミュニケーションはSNSになっていると話した。

 

各国の市場においての、ユーザーの消費者行動について

■ブランドン
モバイルコマースの利用者は123%上昇しました。以前ですと、PCでのコンピューター決済が一般的でしたが、最近では多様な方法で商品を購入することが出来ます。昨今では、クレジットカード情報や個人情報を携帯電話に入力することを嫌い、Apple PayやSnapshot Pay, Square, Facebook 等のサービスを利用する消費者もいます。

モバイルコマースを有効活用したアプリケーションの例として思い浮かぶのがUber (Ride-Sharing Service アプリケーション) です。Uberを使って、消費者はタクシーを呼んで乗ったり、車で相乗りする相手を見つけたり、携帯で支払いまで済ませることが出来ます。

すべてを自分の携帯で実現出来るということが、よりモバイルコマース(ビジネス)らしいと思います。アメリカの消費者は(他の市場の消費者と比べても)、モバイルコマースの概念に慣れていると思うので、今後さらに多くの消費者が、PCを使うのではなく、携帯で商品を購入することを選択するでしょう。

■Calvin Chan
ブランドンの話と重複するのですが、中国でも消費者の間にモバイルコマースが浸透してきています。数字を挙げて、例を紹介しますとAlibaba Group 社は2013年にモバイルコマース消費者の数を飛躍的に伸ばしました。Alibaba Group 社は消費者の間で、“シングルの人はインターネットで買い物しよう”という文化、トレンドを創りだし広めることに成功し、モバイルコースの売り上げに反映させたのです。

モバイルコマースの素晴らしい点は、支払いの過程を簡易にしただけでなく、エキサイティングにすることができることです。例えば、中国では新年のお祝いの期間、モバイルコマースサイトで、宝くじのように少額で賭けをすることができるので、友人や同僚とゲーム感覚でモバイルサイトを利用することで、モバイルコマースがより楽しいものになります。

中国では20代30代の若年層はほとんど携帯を持っています。若者層が一番自分の事に費やせるお金を持っているため、その層の多くの人が、電子機器というとまず携帯を買います。統計によると、モバイルサイトで買い物をする若者は、PCを使って買い物をする消費者よりも、商品の価格比較をしないということが分かっています。それは、彼らが金銭的に余裕があるからなのか、価格を比較する時間を煩わしいと思うからなのかは分かりません。どちらにしても、若年層にとって、モバイルコマースは身近であり、手軽で簡単に買い物が出来る方法なのです。どのように、若年層にターゲットにしたモバイルコマースサイトを作り、広告や宣伝活動を行うかが大きな課題です。

■Dippak Khurana
E-コマースはインドでもブームになりつつあります。モバイルコマースを利用する消費者の70%が地方に住む人々です。異なる点としては、インドの消費者はモバイルコマースがより便利なため、商品の価格が少し高くなったとしても、その利便性に価値を感じて利用するという点です。インドの消費者もまたPCでクレジットカード決済することに懸念を持っています。

また、インドの消費者は購入する商品によっては、オンラインで買い物しないものもあります。とくに電子機器を購入する場合は、多くの人がオンラインやモバイルサイトを通してではなく、店頭で購入します。

インド市場は、一般的に3年か4年ほど中国市場の後を追っていると言われています。インドも銀行のオンラインバンキングが整備されれば、今後さらにE-コマースの利用者数が伸びると思います。

■青村
今、体感として(モバイルコマースは)当たり前になっているかなと思います。最近では売る側が個人になっているというところ、CtoC、みなさんご存じだと思うんですけど、フリマのアプリなどもどんどん出てきています。そうすると、データが個別化、リアルタイム化してくるので、マーケティングが難しくなると思います。

 

次世代のマーケティングについて

■青村
今年のトピックして大きいのは動画ですね。ムービーの広告も流行ってますし、ユーチューバーなどがプロモーションをしていくことも、企業にとってはすごい効果がでるマーケティング手法になっています。弊社も頑張っています。

■Dippak Khurana
先ほどからお話に出ているように、やはりモバイルサイトでのマーケティング戦略が重要になってくると思います。他の市場ではすでにモバイルコマースは全盛期を迎えていますが、インドでは消費者がモバイルコマースへ徐々に移行している段階です。マーケティングを担うものは、どこに重点をおいて予算を費やすのかをよく考えなければなりません。

■Calvin Chan
次世代のマーケティングにおいての目標と言ってもいいのかも知れないですが、CRM (Customer Relationship Management) やDMP(Data Management Platform)が重要になってくると考えます。消費者が次に欲しいものは何なのか、消費者のライフスタイル、この先流行するブランドといったことを予想して、潜在的な消費者を確保するということです。

■ブランドン
毎週のように新しい電子製品が市場に送りだされています。そのためか、グローバル化の意味も変わってきている気がします。今後3年から5年のうちに、新しい電子機器を活用した全く新しいマーケティング戦略が生まれている可能性もあります。例えば、アメリカでは車を通勤の交通手段として使う人が沢山います。一日のうちの3時間を車中で過ごすこともまれではありません。日本人が通勤途中にゲームアプリケーションを使用して、マーケティング広告を目にするのと同じようなことです。広告主の視点から言うと、アメリカで通勤中の人々が車中で過ごす時間も、マーケティングの対象になると考えます。

あと、スマートフォン自体も新しい時代を迎えようとしています。Google Project Tangoがそれです。この製品は、3次元の空間や動きを捉えることを可能にしたものです。とても楽しみです。

 

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