IBMとNVIDIA、世界最速ディープ・ラーニング・エンタープライズ・ソリューションで提携

IBMとNVIDIAは、IBMとNVIDIAの最新テクノロジーに最適化された新ディープ・ラーニング・ツールで提携したことを発表した。このツールは、コンピューターをより高速化し、かつ人間のように思考し学習できるように訓練するのに役立つという。

ディープ・ラーニングとは、急成長を遂げている機械学習方式で、何百万件もの断片的なデータを処理し、そのデータから最も重要な特徴を検出しランク付けすることで、情報を抽出する。幅広い消費者向けWebアプリケーションやモバイル・アプリケーションの大手企業がすでに対応を進めており、その他の企業においてもディープ・ラーニングへの取り組みが急務となっている。

ディープ・ラーニングやその他のAI機能は、銀行業界では顔認識による高度な不正検出、自動車業界では自動運転車、小売業界では会話の理解と質問への応答がさらに向上したコンピューターによる完全自動コールセンターなど、幅広い業界で使用されている。

本日発表した新しいディープ・ラーニング・ソフトウェア・ツールキット「IBM® PowerAI(英語)」は、2016年9月に発表されたAI向けIBMサーバー上で実行され、IBMのPOWERアーキテクチャーに最適化されたNVIDIA NVLinkインターコネクト技術を実装していることが特長だ。

このハードウェアとソフトウェアを組み合わせたソリューションにより、Caffeを用いてAlexNetを実行する同等の4 GPUサーバーの2倍以上のパフォーマンスを実現する。(*1) 4つのGPUを搭載する POWERベースの構成で、BVLC Caffeを用いてAlexNetを実行する場合、M40 GPUを8個搭載するx86構成のパフォーマンスを上回り(*2)、主要なディープ・ラーニング・フレームワークの2つのバージョンにおける、世界最速の商用エンタープライズ・システム・プラットフォームとなっているという。

Caffeは広く使用されているディープ・ラーニング・フレームワークで、Berkeley Vision and Learning Center(BVLC)により開発され、テクノロジー業界では最も有名なディープ・ラーニング・コミュニティ・アプリケーションの1つと認められているそうだ。Caffeは「IBM PowerAI」ツールキットで使用できる5つのディープ・ラーニング・ソフトウェア・フレームワークの1つだ。このツールキットでは、cuDNN、cuBLAS、NCCLなどのNVIDIA GPUDLライブラリーをNVIDIA SDKの一部として活用し、IBMのサーバー上でマルチGPUアクセラレーションを実現する。

「IBM PowerAI」は、Power Systems LCモデルのラインナップの中で、最もパフォーマンスの高い「IBM Power S822LC for High Performance Computing(HPC)」で動作するように設計されている。このサーバーは、POWERアーキテクチャーとNVIDIAの最新GPUテクノロジーに最適化されたNVIDIA NVLinkを実装していることが特長だ。

この新たなソリューションは、AI、特にディープ・ラーニングの新しいコンピューティング方式をサポートする。また、「IBM PowerAI」は、IBMのコグニティブ・ソリューション・プラットフォームである「IBM Watson」につながる道筋にもなっており、ディープ・ラーニングのいくつかの学習方式を用いてWatsonをトレーニングすることで、エンタープライズ分野でのWatsonの専門知識を拡張するという。

「IBM PowerAI」は、「IBM Power S822LC for HPC」サーバーを利用する顧客に無料で即時提供される。「IBM PowerAI」は、単一のS822LCサーバーで稼働するように設計されているが、数十台から数百台、場合によっては数千台規模の大規模スーパーコンピューティング・クラスターでの運用を目的に拡張することも可能だという。

(1) Top-1の精度が50%のAlexNetトレーニングに基づく。次の2種類の構成を比較。IBM Power S822LC for HPCの構成: 16コア(8コア/ソケット)4.025 GHz、NVIDIA Pascal P100 GPU 4基を搭載;512 GBメモリー;Ubuntu 16.04.1でNVCaffe 0.14.5を実行。IBM Power S822Lの構成:20コア(10コア/ソケット)3.694 GHz、NVIDIA M40 GPU 4基を搭載;512 GBメモリー;Ubuntu 16.04でBVLC-Caffe f28f5ae2f2453f42b5824723efc326a04dd16d85を実行。両構成のソフトウェア・スタック詳細:G++ – 5.3.1、Gfortran –5.3.1、OpenBlas – 0.2.18、Boost –1.58.0、CUDA 8.0 Toolkit、Lapack –3.6.0、Hdf5 –1.8.16、Opencv –2.4.9。

(2)次の2種類の構成を比較。IBM Power S822LC for HPCの構成:20コア(10コア/ソケット)3.95 GHz、NVIDIA Pascal P100 GPU 4基を搭載;512 GBメモリー;Ubuntu 16.04 LEでIBMバージョンBVLC 1.0.0-rc3を実行。Intel E5-2640v4 (Broadwell):20コア(10コア/ソケット)3.6 GHz、NVIDIA M40 GPU 8基を搭載;512 GBメモリー;Ubuntu 16.04 LEでBVLC-Caffe 985493e9ce3e8b61e06c072a16478e6a74e3aa5aを実行。両構成のソフトウェア・スタック詳細:G++ – 5.4、Gfortran .4、OpenBlas – 0.2.19、Boost .58.0、CUDA 8.0 Toolkit、Lapack .6.0、Hdf5 .8.16、Opencv .4.9。

提供:IBM

詳細はこちらから

Previous

トヨタ、ナビゲーションアプリ「TCスマホナビ」の無料提供を開始、災害時に備え独自の交通情報を常時掲載

STマイクロエレクトロニクス、IoT領域を拡大するSigfoxグローバル・ネットワークに対応した低消費電力・長距離無線ICを発表

Next