GMOとセゾン情報システムズ、ブロックチェーンとIoTを活用した宅配実証実験を実施

GMOインターネット株式会社は、電子認証サービスを展開するGMOグローバルサイン株式会社と、自社開発した世界売上シェア第4位、国内シェアNo.1のファイル転送ミドルウェア「HULFT(ハルフト)」を展開する株式会社セゾン情報システムズの3社共同で、ブロックチェーンとIoT技術を活用した実証実験の第一弾として、「本人のみが受け取れる宅配ボックス」の実証実験を行ったことを発表した。

現状の宅配が抱える課題と実証実験の背景

昨今では、スマートフォンの普及によるインターネット利用環境の拡大を背景に、Amazonや楽天市場などに代表されるECサイトでの買い物や通販の需要が急拡大しており、同時に宅配の需要も増加している。これに伴い、注文した商品の再配達などの作業量の増加が配送業者の負担となっているだけでなく、配達の際に排出される二酸化炭素による環境汚染も問題として挙がっており(※)、「配送・受け渡しの効率化」が課題となっている。

また、クレジットカードやキャッシュカード、ネットオークションで取引された商品など、受取人本人の確認が必要な荷物の配送ニーズも高まっていることから、本人に確実に荷物を届ける「配送品質の確保」も必要になっている。

そこで、GMOインターネットおよびGMOグローバルサイン、セゾン情報システムズの3社は、ブロックチェーンとIoTを活用した実験的取り組みの一環として、こうした宅配の課題を解決し、本人不在時の再配達や受け取りの手間の削減、誤配達防止を実現する宅配ボックスの開閉の制御システムを開発し、その実証実験を行った。

これにより、「本人のみが受け取れる宅配ボックス」の実現が可能なことを確認しました。この実証実験は、株式会社ウフルが発足した、IoTビジネスを推進するビジネスコミュニティ『IoTパートナーコミュニティ』の1つ「ブロックチェーンワーキンググループ」の活動の一環として、参画企業である3社が共同で行った実証実験の第一弾となる。

※国土交通省:平成27年9月 宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会 報告書より
 

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ブロックチェーンとIoTによる宅配ボックスの開閉制御システム

今回の実証実験では、GMOインターネットが提供するPaaS型のブロックチェーンプラットフォーム「Z.com Cloud ブロックチェーン」を基盤にシステムを構築し、IoTデバイスである宅配ボックスには、セゾン情報システムズが提供する安全・確実なシステム間連携を実現する信頼性の高い「HULFT IoT」を導入した。このシステムでは、配送業者が宅配ボックスに荷物を納入することで、ブロックチェーン上に納入記録および施錠要求が行われる。

荷物を受け取る利用者は、個人に紐づくスマートフォンを通じてブロックチェーン上に解錠を要求することで、宅配ボックスが解錠し、荷物の受領が記録される。またこれを進化させれば、解錠と共に代金を決済することも可能となり、不在時でも代金引換荷物の再配達の必要がなくなる。

[media id=’44339′] ▲本実証実験の宅配ボックスには、 株式会社エスキュービズム提供の 「スマート宅配BOX®」を使用した。

不在時の再配達・誤配達を削減

ブロックチェーン上に情報を記録することで、特定の配送業者に縛られることなく「誰がいつボックスを開閉し、何を受領したのか」といった事実を半永久的に証明・保証することが可能になる。宅配ボックスの開閉履歴や施錠・解錠要求などの情報は改ざんできない状態で記録されるため、一度施錠された宅配ボックスは、施錠時に指定した本人しか開けることができない仕組みが実現する。これにより、誤配送や盗難による荷物の紛失を防ぎ、対面取引と同等の配送品質が実現できるほか、宅配ボックスの活用による配
送の効率化と利用者の利便性向上が図れる。

今後の展開

今回の実証実験は第一弾と位置づけており、今後は以下のような取り組みを検討している

・ブロックチェーンを利用したGMOグローバルサインの「本人認証サービス」
 を活用し、スマートフォンで解錠を要求した利用者の本人認証を行うサービス
・利用者が着払い等の荷物を受け取ったタイミングに、自動で課金を行うサービス
 (代金引換荷物など)
・冷蔵対応ボックスとRFID等の認識・管理を自動化する新たな技術を使って
 トレーサビリティが確保できる、ネットスーパーなどにおける生鮮品を
 対象にした宅配サービス
・本実証実験で得られたブロックチェーンおよびIoTに関する知見共有や情報
 交換のためのイベント実施

【「Z.com Cloud ブロックチェーン」について】
(URL:https://cloud.z.com/jp/products/blockchain

「Z.com Cloud ブロックチェーン」は、ブロックチェーン上に分散型のアプリケーション(DApp)を構築できるPaaS型のサービス。今回の実証実験でも活用された、以下に代表される機能を包括してコントロールできるAPIを用意しているため、複雑なブロックチェーン技術を活用したサービスをより簡単に構築できる。

アクセスコントロール
一般的に、ブロックチェーン上に記録された情報はブロックチェーン内で公開されてしまうので、例えばどういった商品がいつどの部屋に届いたかが全て公開されてしまう。「Z.com Cloud ブロックチェーン」には、アクセスコントロールの機能があるため、「商品配送先のビルの部屋番号は、配送業者にしか見えない」といった仕組みを構築することができる。

代払い
ブロックチェーン上に情報を記録する都度、仮想通貨で手数料を支払う必要がある。例えば荷物を受け取る利用者が、宅配ボックスの解錠要求や開閉情報をブロックチェーン上に記録する際にも、内部仮想通貨が必要だ。しかし、一般の利用者がこうした仮想通貨を購入することはまだ敷居が高く、サービスの利用が敬遠されてしまうことが予測される。

「Z.com Cloud ブロックチェーン」では、サービスプロバイダーが利用者に代わってブロックチェーン上の記録にかかる仮想通貨を代払いする機能を備えているため、仮想通貨を意識することなくサービスを利用いただくことができる。

【「HULFT IoT」について】
(URL:https://www.hulft.com/software/hulft-iot/product

 「HULFT IoT(ハルフト アイオーティー)」は、世界43ヵ国、8,600社以上の実績を持つ安心・安全なシステム間連携を実現するミドルウェア「HULFT」のデファクトスタンダード品質をそのままに、IoT領域における信頼性の高いシステム連携をした製品。決済やセキュリティ、機器監視、位置追跡などデータ欠落が許容されない “IoT ミッションクリティカル” の領域で、デバイスとクラウドサービス間の、安全・確実なデータ連携を実現する。

【「IoTパートナーコミュニティ」について】
(URL:http://iot.uhuru.co.jp/partner/

「IoTパートナーコミュニティ」とは、株式会社ウフルが事務局を務め、協創を通じてIoTビジネスを推進するビジネスコミュニティ。IoTにより実現される「全てがつながる世界」を目指し、コミュニティに参加する企業・団体等がベンダーフリーで相互に協創しながら、 オープンイノベーションを通じてビジネスを創出することを目的とする。
(参加企業数:2016年12月現在、38社)

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