NVIDIA、AI搭載自動車、クラウドコンピューティング、スマートホームのビジョンを発表

NVIDIA は、先週開催された CES のオープニング基調講演で、ゲーミング、テレビ、輸送の改革に向けたヴィジョンを発表し、AI、ディープラーニング、ゲーミング、自動車の各分野における自社の成果をアピールした。
 
また、NVIDIA の CEOジェンスン・フアン (Jen-Hsun Huang)氏は、AI 搭載自動車に関する構想と、自動車業界の多くの主要企業との提携を明らかにしたほか、NVIDIA のGeForce NOWサービスをさらに数百万の PC や Mac に拡大する計画や、世界最先端のストリーミング機能を備えたデバイスSHIELDの最新バージョンも発表した。
 
1 時間を超える基調演説では全体を通して、AI分野におけるNVIDIA の役割が話の中心となった。
 
このプレゼンテーションにおける目玉の 1 つは、プレゼンテーション自体に利用されたテクノロジーだ。お馴染みの黒いレザージャケットに身を包んだフアン氏が話す間、フットボールの競技場ほどの幅のある曲面ディスプレイに、画像やビデオ、アニメーションが映し出された。
 
このディスプレイは、モントリオールに拠点を置く Immersive Design Studios のCANVASソフトウェアと Epic Games のUnreal Engine 4ゲームエンジンを採用しており、およそ幅 30,000 ピクセル×高さ 1,080 ピクセルの規模を誇っている。NVIDIA Quadro GPU を 10 基搭載することで、1 秒間に約 20 億ピクセルを描画可能としている。
 

自動車業界の進化を加速

 
Audi のアメリカ法人 Audi of America の社長であるスコット・キーオ (Scott Keogh) 氏がフアンのいる壇上に加わり、両社が 2020 年までの路上走行実現に向け最先端の AI 搭載自動車の共同開発を進めることを発表した。
 
キーオ氏は、10 年前に NVIDIA とのパートナーシップを発表して以来、Audi の販売台数は年間 6 万台から 2016 年には 21 万台へと増加したことを明らかにした。
 
また、フアン氏は、地図の作成を手がける HERE および ZENRIN の 2 社とのパートナーシップのほか、世界最大手の自動車部品メーカーである ZF および Bosch の 2 社とのパートナーシップについても詳細を発表した。
 
これらはすべて、AI 搭載自動車によって 10 兆ドル規模の輸送産業の改革を目指す同社の取り組みの一環であり、AI 搭載自動車では、ディープラーニング型 AI を利用して、運転をより安全に、よりパーソナライズされた、そしてより楽しいものにすることを目的としている。
 
AI は市街地の道路を運転する際の複雑さに対応する唯一の手段だと、キーオ氏は指摘する。「世界中のどれほど大規模なプログラミングであっても、日常的に道路環境に対応できるものはありません。そのための唯一の手段が人工知能を利用することなのです。」
 
その機能を実現するうえで中心となるのが、NVIDIA の DRIVE PX プラットフォームと DriveWorks ソフトウェアである。これらは、各種センサーと組み合わせて利用でき、過去の経験から学習する複数のニューラルネットワークと結合できる。
 
また、この構想の新たな活力となるのが、近日発表されるNVIDIAの AI スーパーコンピューター チップ、Xavierである。親指の爪ほどの大きさのチップだが、次世代 GPU アーキテクチャーであるVoltaを採用し、30 TOPS (1 秒あたり 1 兆オペレーション) のパフォーマンスを誇るが、消費電力はわずか 30 ワットである。
 

AI が運転助手に

 
NVIDIA は、上記の能力をAI Co-Pilotで活用することにより、自動車がドライバーと周辺環境の両方を理解できるようにする。
 
自然音声認識機能を備えた AI によって、ドライバーの音声指示が検出され、顔認識機能を備えた AI によって、車がドライバーを認識できるようになり、個人の好みが設定され、鍵を取り出す必要性がなくなる。視線検出機能を備えた AI によって、ドライバーが注意を払っているかどうかを車が確認できるようになり、読唇機能を備えた AI により、ラジオから音楽を流していても、次にかけたい曲名を言えば、ドライバーの唇の動きを読み取ることができるようになるという。
 
車内の AI 以外にも、AI Co-Pilot は外部センサーと組み合わせて利用できるので、曲がろうとする際に死角から自転車が近づいてきたことや、歩行者が道路を渡ろうとしていることなどをドライバーに知らせることができる。
 
ドライバーのより安全で快適な運転を支援するだけでなく、新しいAI Auto-Pilotを利用すれば、一連のセンサーや、HD 地図、さらには (データ共有機能によって) 最も熟練したドライバーよりもはるかに深い経験から得られたデータを結集し、自動運転を実現できる。
 

ゲーミングPCをすべての人に

 
フアン氏は、PC 向けの「GeForce NOW」を発表した。このサービスでは、クラウドからPCに、高パフォーマンスの NVIDIA Pascal ゲーミングをオンデマンドで提供する。
 
高パフォーマンスの GeForce GTX ゲーミング機材を持っていないプレイヤーでも、ゲーミングを容易に体験できるこのサービスでは、プレイヤーがをクラウド上の GeForce GTX 1080 PC に接続し、最新の NVIDIA GameWorks ビジュアル テクノロジーによってゲームをレンダリングして、それらのゲームを PCに高精細でストリーミングする。
 
フアン氏は、SHIELDの最新バージョンについても紹介した。この最新バージョンは、4K HDR をサポートしている。

4K HDR に対応した Amazon Video が加わったことで、SHIELD は、美しい 4K に対応したオープンな一連のメディアを提供するようになり、Netflix、YouTube、Google Play ムービー、VUDU もサポートしている。
 
また SHIELD は、クラウド上の Pascal 世代の GeForce GTX GPU、強化された GameStream、および最新のネイティブ Android ゲームを搭載した、GeForce NOW へのアクセスもできる。
 
最後に、近日リリース予定の多くの機能によって、SHIELD は AI ベースのスマートホーム対応ハブへにもなる。SHIELD では、Google Assistant のハンズフリーをサポートする予定であり、さらに今後の更新で、SmartThings もサポート予定、数百種類のスマートホームデバイスに接続できるスマートホームハブとなることを目指している。
 
さらにフアン氏は、SHIELD の利用範囲をユーザーの自宅全体に拡張すべく、SHIELD のアクセサリーである「SPOT」を発表した。この AI マイクによって、インテリジェントな制御を自宅全体に拡張できるようになるという。

ソース:NVIDIAブログ

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