NTT西日本、IoT拡大に向けセキュアな環境構築と高速データ処理技術を組み合わせた新プラットフォームの実証実験開始

西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)は、IoT分野におけるビジネスパートナーの多様なサービス提供の支援に向けて、SD-WAN(※1)技術とエッジコンピューティング(※2)技術を組合わせた新たなプラットフォームの実証実験を開始する。初回の実証実験(以下、第一弾ユースケース)では、NTT西日本は、JIG-SAW株式会社と協業し、Peach Aviation株式会社(以下、Peach)のカメラシステムによる空港内の遠隔監視をユースケースとして、有用性を検証するという。

現在、産業や社会の様々な分野でIoTの普及が期待されるなか、NTT西日本では、「LPWAネットワークを活用したフィールドトライアル」(※3)や「ドローンを活用した太陽光パネル点検ソリューション」(※4)など、IoTデバイスをネットワークに接続・活用できる環境を実現するため様々な取り組みを実施している。

それらの取り組みも踏まえ、NTT西日本では、LPWAのような小容量データ通信に加え、ドローンのようなデバイスの自動制御といった高いリアルタイム性を求められるシステムや、カメラ映像などの大容量データを用いるシステムも必要になると考え、今後のIoTの拡大に向けて、高速なデータ処理や短時間での応答、データのセキュリティ確保、通信の安定性などを提供するプラットフォームの実現に向け、同取り組みを実施することになったという。

NTT西日本は、優れた耐震性や電源供給の安定性など堅牢性が高く、西日本エリアの各地に点在する立地性を備えたNTT西日本通信ビルに着目し、各通信ビル内にサーバーやネットワーク機器等から構成されるクラウド基盤を設置、ビジネスパートナー拠点とクラウド基盤をSD-WAN技術を用いた仮想ネットワークで接続するプラットフォームの実現を目指すという。

ビジネスパートナーは、SD-WAN技術の特長であるCPEの一元管理機能により、IoTデバイスがセキュアにクラウド基盤に接続できる環境を、容易に構築できるとしている。

同プラットフォームの活用として、例えば、スポーツの試合映像をパブリックビューイング会場へライブ配信する場合、従来では、現地映像を遠方にあるパブリッククラウドへ伝送し、パブリッククラウドで処理した後にパブリックビューイング会場へ伝送していたため、映像の遅延が発生する可能性があったが、同プラットフォームを用いることで、現地映像を近傍のクラウド基盤上で処理し、パブリックビューイング会場へ低遅延で伝送することが可能となり、現地とパブリックビューイング会場が一体となって応援できるような未来が実現できるという。

第一弾ユースケースでは、Peach事務所近傍のNTT西日本通信ビル内にクラウド基盤を設置し、Peach事務所、データセンターを仮想ネットワークで接続する。Peachターミナル事務所に高精細カメラ、NTT西日本通信ビル内の映像管理ソフトウェアを搭載したクラウド基盤、データセンター(パブリッククラウド)に映像を記録するためのストレージを配備し、空港内の遠隔監視を行う。検証期間は、2017年6月~2018年3月まで。

NTT西日本、IoT拡大に向けセキュアな環境構築と高速データ処理技術を組み合わせた新プラットフォームの実証実験開始

第一弾ユースケースの特長は以下の通り。

  1. データセンター(パブリッククラウド)へのトラヒック削減と映像監視端末への遅延の低減
    顧客拠点近くに存在するNTT西日本通信ビルのクラウド基盤でカメラ映像を処理することにより、パブリッククラウドへのトラヒック削減、および映像監視端末への遅延が低減され、システム全体のレスポンス向上が期待できる。
  2. セキュリティの確保
    フレッツ網に閉じたネットワークでインターネットを経由しないため、安定、且つセキュアな通信が期待できる。
  3. ネットワーク環境構築の簡素化
    SD-WAN技術を用いることにより、CPEの設定作業を簡素化し、迅速に仮想ネットワークを構築することが期待できる。

NTT西日本、IoT拡大に向けセキュアな環境構築と高速データ処理技術を組み合わせた新プラットフォームの実証実験開始

検証項目は以下の通り。

  • エッジコンピューティングの有効性確認(遅延、トラヒックの削減効果)
  • SD-WAN技術によるネットワーク環境構築簡素化の有用性確認

各社の狙いは以下の通り。

  • NTT西日本
    同プラットフォームの有用性確認、および様々な顧客ニーズに応える新たな利用シーンの創出
  • JIG-SAW
    ・同プラットフォームを用いた新たなサービスの創出
    ・クラウド基盤およびIoTデバイスの自動監視・制御サービスの検証
  • Peach
    ・同プラットフォームを活用した遠隔監視システムの利便性と機密性の検証
    ・同プラットフォームを用いたその他システム(例.データ管理システム等)利用の可能性の検証

※1 顧客拠点等に通信端末(CPE:Customer Premises Equipment)を設置し、CPE間で仮想ネットワーク環境を作る仕組みのことで、管理機能を用いて、CPEの設定を自動で行え、セキュアなネットワーク環境構築の簡素化が可能となる
※2 IoTデバイスの近傍にサーバーやストレージなどを分散設置し計算処理を効率化することで、パブリッククラウド等へのネットワーク帯域の削減や、データ処理の高速化が可能となる
※3 NTT西日本が提供するLPWAネットワークとトライアルパートナー様が所有する各種IoTデバイス・センサー等を組み合わせることで、新たなIoT活用シーンの創出をめざすトライアル
※4 ドローンを用いたサーモカメラの空撮により、太陽光パネルの異常箇所を短時間で発見し、レポートを作成するソリューション
※5 Application Programming Interface。ソフトウェアの一部を外部に公開することによって、誰でも外部から利用できるようにするインターフェースのこと
※6 User Network Interface。通信設備と顧客側の設備とを接続するインターフェースのこと

【関連リンク】
NTT西日本(NTT WEST)
ジグソー(JIG-SAW)
ピーチ・アビエーション(Peach Aviation)

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