ハネウェルとキャセイパシフィック航空は、同航空の全てのエアバスA330機にハネウェルのConnected Aircraftメンテナンス製品を展開する契約に調印した。
ハネウェルのGoDirect コネクテッド・メンテナンス・プログラムは、航空機コネクティビティー、深い製品知識、データ分析を駆使して機材の部品修理や交換の必要性を予測する。キャセイパシフィック航空と実施した試験プログラムでは、同サービスがシステム不具合を最大で35%削減できることが実証された。コスト負担の大きい緊急メンテナンスや、航空機の就航不能時間の直接的な削減につながり、欠航と遅延の影響を減らすことができるという。
ハネウェルの補助動力装置(APU)用GoDirect コネクテッド・メンテナンス・プログラムは、キャセイパシフィック航空とキャセイドラゴン航空の60機以上のエアバスA330機に装備されることになる。APUは、主にゲートに駐機中の客室内の冷暖房に加え、メインエンジンの始動など動力関連の機能を航空機に提供する小型エンジンだ。
キャセイパシフィック航空のエンジニアリング担当ディレクター、ニール・グレン氏は「キャセイパシフィック航空は安全性、定時運行、そして快適な旅行体験の提供をお客様にお約束しています。ハネウェルのGoDirectコネクテッド・メンテナンスを採用することで、センサーや余計な重量を付加することなく運航の不具合やフライト遅延を減らすことができます」と述べた。
Honeywell Aerospaceの副社長でアジア太平洋航空会社担当のブライアン・デービス氏は「キャセイパシフィック航空は、予測運航を推進するリーダー的存在です。航空産業はビッグデータの使用とインターネット・オブ・シングスから始まったデジタル転換に突入しています。ハネウェルは、メカニカルな分野で培った実績とコネクティビティーを用いることで、航空会社がより容易に必要なメンテナンス作業を予測できるよう支援してまいります。キャセイパシフィック航空との試験期間中、GoDirect コネクテッド・メンテナンスによって、航空機当たりの運用・事後メンテナンスコストで何十万ドルもの節約を達成することができました。また、APU関連の遅延時間を51%削減しました」と述べた。
キャセイパシフィック航空は、定時運行の推進とメンテナンスコスト削減を目指し、GoDirect コネクテッド・メンテナンス・プログラムを、同航空が保有するボーイングB777にも採用することを検討している。
ハネウェルのConnected Aircraftサービスは、『つながる』ことが、搭乗客の体験を向上させ、航空機をより安全で、効率的で、費用対効果高い運航を可能とするプラットフォームに変えられることを示すサービスだという。
緊急メンテナンスの管理は航空会社にとってコスト負担も時間のロスも大きく、遅延や定時運行の妨げにもなる。ハネウェルは、こうしたケースを防ぐべく、80以上の製品ラインと一連のテクノロジー、そして専門知識を駆使して、航空機メンテナンスの概念を変えるべく顧客をサポートしている。
GoDirect コネクテッド・メンテナンス・プログラムの予測故障分析のエラー率は1%未満だという。最も重大で急を要する修理対応や不具合をハイライトし、整備担当者に対処方法の助言を提供すると共に、不具合の傾向に関する情報を航空会社のオペレーターと共有する。この情報により、整備担当者は事前に整備の準備を整えることができ、不具合が発生する前の段階で部品を交換できるようになる。
ハネウェルは今後、APUの他にも、車輪、ブレーキ、環境制御システムといった部品もコネクテッド・メンテナンス・サービスの対象としていくことを検討している。
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