トヨタ、AI搭載のコンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i(コンセプト・アイ)」シリーズの概要を公表

トヨタは、人工知能を搭載することで人を理解し、人とクルマがパートナーの関係となる、モビリティ社会の未来像を具現化したコンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i(コンセプト・アイ)」シリーズの概要を公表した。

本年1月の2017 International CESに出展した四輪モデルの「TOYOTA Concept-愛i」に加え、ユニバーサルな小型モビリティと歩行領域のモビリティを「TOYOTA Concept-愛i」シリーズとして新たに追加した。

「TOYOTA Concept-愛i」シリーズに共通するコア技術は、人工知能を応用し、ドライバーの感情認識や嗜好推定を行う「人を理解する」技術(Learn)。

この「人を理解する」技術と自動運転技術を組み合わせ、ドライバーを「安全・安心」(Protect)に導くほか、エージェント技術と組み合わせることで、ドライバーの気持ちを先回りした提案を可能とし、ドライバーに「新しいFun to Drive」(Inspire)をもたらす。

トヨタ、AI搭載のコンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i(コンセプト・アイ)」シリーズの概要を公表
「TOYOTA Concept-愛i」シリーズが提供する価値

TOYOTA Concept-愛i

  • 「TOYOTA Concept-愛i」シリーズを代表する四輪モデル
  • AIにより、人を理解するパートナーとして、新しい時代の「愛車」となることを目指す
  • 「人を理解する」技術(Learn)を、自動運転技術やエージェント技術と組み合わせ、ドライバーに対し「安全・安心」(Protect)と移動の楽しさを充実させる「新しいFun to Drive」(Inspire)を提供
  • キャビンを前出しした未来的シルエットに加え、先進的なHMI(Human Machine Interface:人間と機械が情報をやり取りするための手段、装置、ソフトウェアなどの総称)とエージェントとの対話による新しいユーザーエクスペリエンスを実現
  • 一部機能を搭載した車両で2020年頃、日本での公道実証実験を開始予定
トヨタ、AI搭載のコンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i(コンセプト・アイ)」シリーズの概要を公表
TOYOTA Concept-愛i 外観/内装

車両デザインは、キャビンを前に出した未来的シルエットとシンプルで開放的なインテリアとし、インストルメントパネル中央部に位置するエージェントを起点としながら、車体外装にまでインストルメントパネルの意匠が連続するシームレスなスタイリングを、「INSIDE OUT」をデザインテーマとして形成。

また、3D-HUD(ヘッドアップディスプレイ)を用いた直感的なHMIとエージェントとの対話による新しいユーザーエクスペリエンスを提供する。

「TOYOTA Concept-愛i」は、2020年頃、今回の出展内容の一部を搭載した車両で日本における公道実証実験を計画している。

<TOYOTA Concept-愛i主要諸元>

全長/全幅/全高(mm) 4,510/1,830/1,475
ホイールベース(mm) 2,700
乗車定員(人) 4
パワートレーン EV
EV航続距離 300 km程度

「人を理解する」技術(Learn)

ドライバーの表情・動作・声色から複合的に感情や覚醒度などを推定する。また、web上のニュースといった一般情報と、SNS発信や位置情報、車内での会話履歴など個人に関する情報を比較し、頻出するトピックからドライバーの嗜好を推定する。

感情認識や嗜好推定といった「人を理解する」技術(Learn)にはディープラーニングなどの技術が用いられており、「人を理解する」ことを起点に「安全・安心」(Protect)や「新しいFun to Drive」(Inspire)の価値を革新する。

「安全・安心」(Protect)

クルマの周辺状況に加えて、「人を理解する」技術によりドライバーの状態を推定し、ドライバーとクルマの信頼度をモニターする。

例えば、クルマの信頼度が高く、ドライバーが危険な状態もしくはストレス状態に陥るなどクルマのサポートが必要と判断されると、自動運転モードに切り替わる。“ある時は見守り、ある時は助け合う”、トヨタの自動運転の考え方「Mobility Teammate Concept」に基づき、ドライバーを「安全・安心」に導く。

さらに、ドライバーの感情、疲労度、覚醒状態に応じて、視覚・触覚・嗅覚などの五感に働きかけ、ドライバーが眠気を感じているときは覚醒状態に、ドライバーがストレスを感じているときはリラックス状態に誘導し、ドライバーをサポートする。

「新しいFun to Drive」(Inspire)

ドライバーの感情や嗜好に応じてクルマが会話を誘導。ドライバーが興味のある話題をドライバーの気分に応じてクルマ側から提案するなど、従来にない双方向の自由会話を実現する。

さらに、その時々のドライバーの感情と位置データを組み合わせて「Emotion Map」を作成。個人の感情を集積しビッグデータとして活用し、少し遠回りしてでも楽しめるルートを提案するなど、未知なる体験をもたらす。

TOYOTA Concept-愛i RIDE

  • 「人にやさしい都市モビリティ」をコンセプトに、ユニバーサル性を重視した小型モビリティ。ガルウィング、電動ユニバーサルスライドシート、ジョイスティックなどを採用し、車いすユーザーにとって使い勝手のよいモビリティを追求
  • シートレイアウト、自動運転機能により、誰でも「安全・安心」に運転できるクルマを提供
  • シェアリングサービスでの活用も想定。より多くの人と共有することで、ユニバーサルなモビリティを手軽な存在にした
トヨタ、AI搭載のコンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i(コンセプト・アイ)」シリーズの概要を公表
TOYOTA Concept-愛i RIDE 外観/内装

「TOYOTA Concept-愛i RIDE」は、シェアリングサービスでの活用も想定。これまで個人所有が主流であったユニバーサルモビリティを多くの人と共有することで、誰でも利用しやすい手軽なモビリティを提供する。

また、「人を理解する」エージェントが利用するモビリティを行き来し、外出先等でもドライバーに寄り添い、安全かつ便利で楽しい移動を可能とする。

<TOYOTA Concept-愛i RIDE主要諸元>

全長/全幅/全高(mm) 2,500/1,300/1,500
ホイールベース(mm) 1,800
乗車定員(人) 2
パワートレーン EV
EV航続距離 100-150km程度

車いすユーザーの使い勝手にこだわったユニバーサルな仕様

大開口を確保できるガルウィングと乗降口にスライドする電動シートを採用し、車いすユーザーが不安に感じる車いすからの乗降を容易にした。また、ガルウィングの開閉を利用して車いすの積み下ろしをサポートし、簡単に車いすを後部に収納できるようシートの作動などを工夫した。

また、ステアリングやアクセル/ブレーキペダルが不要なジョイスティックを採用、車両サイズは車いすユーザーが一般的な1台分の駐車スペースに駐停車かつ乗降可能なサイズとし、運転時および駐停車時の操作性を追求している。

さらに、インストルメントパネルの大型ディスプレイには「TOYOTA Concept-愛i」シリーズの特徴である「人を理解する」エージェントを配置し、バリアフリー情報といった快適な外出をサポートする情報を能動的に提供する。

「安全・安心」を提供するクルマ

誰でも安心して運転できるクルマを追求。走行時には運転席をセンターにレイアウトし、駐停車時は自動駐車や自動バレットパーキング機能により運転支援を行うなど、車いすユーザーのみならず高齢者など誰でも「安全・安心」に運転できるモビリティとした。

TOYOTA Concept-愛i WALK

  • 歩行空間に馴染むコンパクトなサイズと自動走行機能により、「安全・安心」に行動範囲を広げることができるモビリティ
  • 3輪・ホイールベース可変機構・ステア操舵による簡単操作および低床フロアにより、服装、履物を選ばず、気軽に使用可能
  • 観光地等でのシェアリングサービスなどの活用も想定し、外出先での移動をサポートする
トヨタ、AI搭載のコンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i(コンセプト・アイ)」シリーズの概要を公表
TOYOTA Concept-愛i WALK

「TOYOTA Concept-愛i WALK」も、「人を理解する」エージェントがシリーズのモビリティを行き来するという特性を活かしたシェアリングサービスを想定。外出先や観光地での散策での活用など、他の交通機関と連携し、近距離移動の一環として使用できるモビリティを目指している。

<TOYOTA Concept-愛i WALK主要諸元>

全長/全幅/全高(ステップ高)(mm) 500-700/400/1,130(140)
回転半径(mm) 全長未満
パワートレーン EV
EV航続距離 10-20km程度

歩行空間に馴染むパッケージで歩道を安全に走行

全長を人の歩幅以下、全幅を人の肩幅以下におさえ、その場での回転が可能。歩行時に人が占有する面積と同等のコンパクトなパッケージとし、歩行者と同じ空間を走行できる。

また、ハンドル部のセンサーやエージェントとの会話からドライバーを理解し、状況に応じてドライバーを安全な状態に導く。走行時に危険を察知した場合、ドライバーに能動的に警告し、自動で回避する。

さらに、3輪かつ速度に応じたホイールベース可変機構を採用し、停止時および走行時の安定性を確保した。

誰にでも優しい操作性

ステア操舵機能を採用することで、体重移動による操作を不要とし、誰でも簡単に操作ができるような仕様とした。また、大幅な低床化により、高齢者やスカートを着用した女性など、年齢や性別、服装の制約を受けず乗降・走行できるモビリティを実現した。

【関連リンク】
トヨタ(TOYOTA)

Previous

横国大とBBSSのIoTサイバー脅威分析リポート、2017年9月は国内のISP配下のネットワークで感染機器の増加を観測

NXPセミコンダクターズが車載プロセッシング・プラットフォーム「S32」を発表、EVや自動運転車の開発スピード向上に寄与

Next