日立製作所、AIを活用して最適な計画立案を支援する「Hitachi AI Technology/計画最適化サービス」の提供を開始

株式会社日立製作所は、生産ラインのデータや熟練者の作業履歴をAI(人工知能)を活用して解析し、自動的に最適な生産計画を立案する「Hitachi AI Technology/計画最適化サービス」を、本年10月24日から提供開始する。

同サービスは、鉄道の運行管理などで実績のある数理最適化技術(※1)とAIを連携した日立独自の制約プログラミング(※2)を適用して、最適解の高速抽出のほか、熟練者による生産計画を再現可能とするものである。

設備や納期、コストといった複雑な制約条件に加え、膨大な熟練者の計画履歴から機械学習を使って熟練者独自の計画パターンを抽出・組み合わせて解析し、多品種・多工程の製品をどの順番で生産すべきか、最適な生産計画を導き出す。

同サービスは新日鉄住金株式会社との共同実証に適用されている。同実証において熟練者の生産計画の一部について再現性が確認されたため、2018年2月より本格的な実証環境を整備する予定で、今後は日々の熟練者の生産計画と同サービスにより算出した生産計画を比較・検証する段階に移行する。

また、日立は同実証例をIoTプラットフォーム「Lumada」のユースケースとして、製造業の生産計画のほか、小売・流通における配車計画、旅客・貨物など交通・運輸の配送計画といった他業種の計画業務へ幅広く展開していくという。

※1 数理最適化技術: 与えられた制約条件を満たした中で、最も良い結果を導き出す計算技術。現実の問題のポイントを整理して数式で表し、数式にあったアルゴリズムで最適な解を求める。
※2 制約プログラミング: 最適化技術の一種であり、制約条件を満たす答えを見つけ出すためのプログラミング手法。

背景

近年、少子高齢化の進行に伴い、労働人口の減少が課題となっている。中でも、熟練者の不足は深刻であり、製造業では熟練者に依存する業務が多いことから、技能継承やさらなる業務の効率化を目的に、AIの活用などによる業務の自動化が期待されている。

製造現場における生産計画の立案においても、経験者しか知りえないノウハウや勘、機転といった言語化できない暗黙知を抽出して、熟練者技術のデジタル化が求められる一方で、すべての条件を事前に網羅することには限界があり、熟練者の効率性と品質を両立した生産計画を再現することは非常に困難とされている。

日立はこれまで限られた時間内で瞬時に多くの制約条件を満たす必要のある鉄道のダイヤ編成など運行管理の分野に取り組んできたが、現在はその数理最適化技術を応用し、製造現場において最適な生産計画を自動生成するための制約プログラミングの研究も行っている。

今回、サービス提供開始にあたっては、数理最適化技術に機械学習を用いたAIを融合し、独自の新しい制約プログラミング「Hitachi AI Technology/MLCP(Machine Learning Constraint Programming)」を開発し、サービスの中核技術として適用している。

「Hitachi AI Technology/計画最適化サービス」の特長

1. AIを融合した独自の制約プログラミング技術で、熟練者のノウハウをデジタル化

設備の稼働状況や納期、生産ラインに投入できる人員といった複雑な制約条件に加え、大量の計画履歴を機械学習して見出した熟練者のパターンを、独自の最適化エンジンに組み込み、最適解を高速に導く。

熟練者は、制約条件を満たせない場合でも、条件を緩和して柔軟に計画の立案を行うなど、経験に基づくノウハウで高効率な計画を立案している。これらのノウハウをデジタル化することで、急な需要変動や納期の変更などにも、柔軟な計画立案を支援する。

また、システムによる自動立案の結果を、熟練者が評価して継続的に学習することで、計画内容の品質向上を図る。

2. 専門チームにより徹底した業務理解とデータ理解の推進

従来にない新しい価値や発想を生み出す独自のデザインアプローチの手法やプロセスを活用して、より踏み込んだシステム設計を行う。

専門チームによる熟練者を含めた現場への調査やインタビューを徹底的に行い、計画立案に関する一連の業務を深く理解するとともに、日立のデータ・アナリティクス・マイスターの解析する製造現場の様々なデータをかけ合わせ、熟練者のノウハウをシステムへ組み込む。

【関連リンク】
「Hitachi AI Technology/計画最適化サービス」に関するホームページ
新日鉄住金(NSSMC)

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