「猟師のカン」をIoTで見える化、huntechが「スマートトラップ」を発売

狩猟関連機器・サービスの企画・開発・販売を行う株式会社huntechは、2017年11月15日より捕獲時にモバイル端末に通知を送る狩猟罠用のIoTセンサータグ「スマートトラップ」を発売すると発表した。

huntechは、同製品で捕獲データを蓄積することで「猟師のカン」を見える化し、罠設置の最適化を目指す。野生鳥獣被害が深刻な地方の自治体などを主な対象とし、2018年末までに500セットの販売を見込むとしている。

本体価格79,800円(税抜)に加え、システム利用料が月額2,980円(税抜)で、2017年11月9日より予約受付を開始している。

発売の背景

近年、野生鳥獣による農作物への深刻な被害が報告されている。ここ数年は減少傾向にあるものの、2015年度の被害額は176億円(※1)にまでのぼっている。

一方で、野生鳥獣の捕獲をしている狩猟者は年々減少し、高齢化も進んでいる。罠猟の場合、罠の設置後は毎日見回りをすることが望ましいとされているが、それが猟師の負担にもなっているのが現状だ。

そこで同社は、毎日見回りをしなくても捕獲状況が分かるだけでなく、捕獲データの蓄積により効率的な捕獲を目指す「スマートトラップ」の開発に至った。

※1:農林水産省「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について」より

「スマートトラップ」の主な特徴

「猟師のカン」をIoTで見える化、huntechが「スマートトラップ」を発売

「スマートトラップ」は、IoT技術を活用し、市販のくくり罠に設置することで野生鳥獣の捕獲をリアルタイムで管理者に通知し、捕獲情報を独自のデータベースに記録ができるセンサータグだ。

1. 獲物がかかると即通知、見回りの労力を軽減

ワイヤを使って足を縛り付ける仕組みの「くくり罠」に、加速度センサーを内蔵した「スマートトラップ」のタグ(子機)を設置すると、罠にかかった際に暴れる動物の動きに反応して管理者に通知メールが送信される。

これにより、罠の設置者に義務付けられている見回りの頻度を、毎日から週1回程度にまで削減することができ、猟師の労力を1/7ほどにまで軽減することが実現するという。

同時に、捕獲後すぐに回収できるため、良好な状態で食用肉として流通させることが可能。また、通知メールの送信先は5件まで設定できるため、複数人で罠の管理をすることもできる。

なお、タグの設置方法を工夫することで箱罠への転用も可能とのことだ。

2. 捕獲場所のGPSデータを記録、一括管理。捕獲効率を向上

「スマートトラップ」にはGPSセンサーを搭載し、捕獲日時や気象情報などと併せて捕獲場所の位置情報も含めたデータベースを自動で作成することができる。

これにより、従来はベテラン猟師の暗黙知によるところの多かった野生鳥獣の行動特性等を見える化し、捕獲効率を高めることが期待される。また、設置情報をシェアすることで、複数人で罠の位置を共有、管理することも可能になるとしている。

3. ローコストでの運用(罠1つあたり月額約600円から利用可能)

「スマートトラップ」は、本体(親機)1機にタグ(子機)5機で構成されている。本体を中心に最大半径100m以内であれば、タグ(子機)を取り付けた罠5つまでの管理が可能。本体とタグの親子構成を採用することで不要な通信コストを省き、運用費は月額2,980円だ。

今後の展開

同社は、「スマートトラップ」により蓄積した捕獲データを活用し、野生鳥獣の行動パターンや気象条件等の分析を行うことで、罠設置を最適化する「狩猟AI」を開発していくという。

また、近年では捕獲された野生鳥獣の「ジビエ」としての活用も盛り上がりを見せているという。現状では、捕獲された野生鳥獣の約9割が廃棄され問題となっているが、政府は今年5月、第21回「農林水産業・地域の活力創造本部」(本部長・安倍晋三首相)を開き、シカやイノシシなど野生鳥獣の肉を食材にする「ジビエ」の利用を拡大する方針を明らかにした。

来年度に全国で12のモデル地区を指定し、狩猟者の育成や流通体制の確立を目指す上、2019年度にはジビエの消費量を倍増させる方針だ。huntechは今後、こうしたジビエの流通体制に関わる事業にも着手していく予定だ。

製品仕様

  • 最大外形寸法(幅×高さ×奥行):親機 160mm×100mm×260mm、子機 直径50mm
  • 通信方式:3G/920MHz
  • バッテリー持続時間:最長9日間(※バッテリー別売。容量30,000mAhのバッテリー利用時)

【関連リンク】
ハンテック(huntech)