MashupAward11 最優秀賞は本物の弓を使ったARゲームシステム「参式電子弓」

11月18日、渋谷ヒカリエでMashupAward11授賞式・Final Stageが行われた。

8~10月にかけて作品を募集したところ431の応募があり、その中から予選を勝ち抜いた12組が作品を発表した。審査の方法は、技術、デザイン、アイデアという3つの審査基準で選ばれ、ビジネスモデル、スケーラビリティなどは審査外となる。優勝賞金の200万円を獲得したのは、本物の弓を使ったARゲームシステム「参式電子弓」。優秀賞や部門賞もあったため、それらを紹介する。

・MashupAwardとは
リクルートが運営する、2006年にスタートしたWeb開発者が自ら開発したWebサイトやスマートフォンアプリ等を通して技術、デザイン、アイデアを競い合うコンテスト。

最優秀賞 参式電子弓

MashupAward11 優秀賞は本物の弓を使ったARゲームシステム「参式電子弓」

MashupAward11 優秀賞は本物の弓を使ったARゲームシステム「参式電子弓」

これは、本物のアーチェリーに各種センサ、マイコン、小型PC、モバイルレーザープロジェクタなどを全てを搭載したARゲームシステムだ。コンセプトは身体的没入感。とはいえ、ヘッドマウントディスプレイを使うVRとは全く違い、リアルで弓を扱いながらゲームの世界に入り込む。

暗くした室内で弓を持つと、弓に搭載されているモバイルレーザープロジェクタが、弓を向けた先に映像を映し出す。参式電子弓は、360℃どこに対しても向けることができ、例えば弓を正面に向けると、ゲーム内の正面の映像が映し出されて、天井に向けると天井の映像が映し出され、自分がゲームの中心にいる状態だ。発表の際にデモンストレーションが行われ、ヒカリエの大きなホールがゲーム会場となった感覚に包まれた。

MashupAward11 最優秀賞 参式電子弓

バッテリーも内蔵されているため、この弓1本あれば自分の身体能力を使って、身体的没入感を体験できるゲームが楽しめる。

MashupAward11 優秀賞は本物の弓を使ったARゲームシステム「参式電子弓」
弓に全て搭載されているため、これだけあればすぐに遊べる

 

MashupAward11 優秀賞は本物の弓を使ったARゲームシステム「参式電子弓」

展示ブースで、ロビンフットを彷彿させる衣装を着た、神奈川県工科大学 博士の安本匡佑さんに教えていただきながら、実際に使ってみた。本物の弓なので、力加減を調整することができ、最初はびびって弱めに引いていたのだが「もっと強く引いてみてください」と指示を受け、力いっぱい引いて矢を射ると、矢がびゅんと早く飛び、リアルとバーチャルが融合していることを体感できた。

MashupAward11 優秀賞は本物の弓を使ったARゲームシステム「参式電子弓」
左:IoTNEWS 田宮/右:神奈川県工科大学 博士 安本匡佑さん

 

矢を放った時の衝撃がかなりあり、その処理をしないと機械が壊れてしまうので、その衝撃に耐えられるものを作るのが苦労したという。

参式電子弓

優秀賞

ビビビコントローラー

MA11 ビビビコントローラー

MA11 ビビビコントローラー
手のひらサイズのコントローラー

 

プレゼンが非常にうまく、会場を笑いの渦に巻き込んだビビビコントローラーの開発チーム。

これは、心拍センサーにより使用者の心拍数の上昇を計測するデバイス。このデバイスを持ったまま、異性にドキドキしてトキメキが高まると、コントローラーにかなり強めの電気刺激が流れる。それは思わず、「あ!」と声が出てしまうほどの電気刺激のため、普段は理性が邪魔をして声に出せなかった想いが強制的に発せられるというものだ。

デモ映像では、男性が街ですれちがった美しい女性を見てトキメキが高まり電気刺激が流れ、声を出してしまったため、女性が振り向くという出会いのシチュエーションが描かれていた。

審査員から大変だった点はと聞かれると、「強い電流が流れるためデバッグがつらかった」と答え、会場の笑いを誘っていた。さらに、女性がペアリング可能なデバイスを持っていて、街ですれ違って反応したら面白いのでは?という意見が出た。

CliMix[クライミックス]

MA11 クライミックス

MA11 クライミックス

これは、漫画の各シーンやクライマックスの雰囲気に合わせて最適な曲を流す電子書籍アプリ。

作品(PDFファイル)の全シーンを、docomoの文字認識APIやOpenCVを組み合わせて解析し、コマ割りや文字の大きさなどからクライマックスのシーンを自動抽出する。クライマックスがないほのぼのした作品では、ずっとゆるやかなBGMが流れるそうだ。このアプリは、Music Hack Day Tokyo 2015で1日で作るハッカソンで全てのAPIを繋げ、JINS MEMEで視線を取ることなどは全て実装できたが、クライマックスシーンの自動抽出はこの半年間で調整したという。

使用APIは、文字認識API、Gracenote 音楽メタデータAPI、Gracenote 楽曲解析API、Spotify、プチリリ同期歌詞取得API、 JINS MEME、 作品・人物情報API。すでに完成しており、しっかり作られているので、詳しくは下記サイトをご覧いただきたい。

CliMix[クライミックス]

Spectee

MA11 Spectee

「Spectee」は、ソーシャルメディアに投稿された映像を独自の人工知能エンジンで収集・解析して、世界中で起きている事件や事故、災害などをリアルタイムにユーザーへ配信するサービス。通常のメディアは何か事件が起こったあと報道までに、約90分後の時間がかかるという。

仕組みとしては9割がエンジンで行われており、火災などわかりやすい映像は画像解析で収集しているという。トレンドサーチなどではたいていテレビで面白い事があった時が多く、事件・事故などはそれほどバズワードになっていないそうだ。そのため、Specteeでは位置情報と時間とワード、画像解析を組み合わせ、特定エリアで特定の時間に、数人の情報が瞬時にあがってきて、似たような映像だとすると、野次馬ができて何かが起こっているだろうという判断をするという。

Spectee

PINCH by tsukuba@deep

MA11 PINCH by tsukuba@deep

PINCHは自動で開き、洗濯物をはさむことができる洗濯バサミ。材質は木材でできている。挟んだ後は、天気APIと各種センサで勝手に乾かし方を調整してくれる。また、専用のセンサを取り付けたかごを近づけることで、指定した衣類のみを落とすことができる。今後は、雨が降ったら自動でカーテンをおろしてバリアしてくれ、衣服は自動で丸めながらたたんでくれる製品になる予定だという。使用APIは、YuMake気象情報API 今日明日天気予報、YuMake気象情報API 日の出日の入り情報、mbed。

PINCH by tsukuba@deep

部門賞

おばかアプリ部門賞 寝返りブロックくずし

MA11 寝返りブロックくずし

MA11 寝返りブロックくずし

ベッドの上にシリコンキーボードを置き、そのうえに寝ると寝返りでブロックくずしができるという、おばか作品。開発者が一晩寝てみてブロック崩しにチャレンジしたが、クリアできなかったという。使用APIは、Microsoft Azure。

寝返りブロックくずし

CIVICTECH部門賞 千葉市お祭りデータセンター

MA11 千葉市お祭りデータセンター by Code for Chiba

Code for Chibaは、千葉市に拠点を置いている団体で現在95名ほど在籍している。祭りに行きたくても、自分の住んでいる地域の祭りの情報がなかなか探せないという課題があり、それに答えるサービス「千葉市お祭りデータセンター」を作った。千葉市の職員の方にも参加してもらい、当日や週末に開催しているお祭り情報を、祭り情報を集めたという。使用APIは、TypeSquare ウェブフォント配信API、YuMake気象情報API 週間天気予報。

千葉市お祭りデータセンター by Code for Chiba

IoT部門賞 peta×peta

MA11 petapeta

MA11 petapeta

Peta Peta はおにごっこをしながら移動距離を競うゲーム。制限時間内に一番遠くに逃げた人が勝ちというルールだ。

スマホと圧力センサーが入ったインソール型のデバイスを連携して使う。プレイヤーが走った時だけ圧力センサーが感知し、歩いているだけでは感知しない。ゲーム中に移動した距離に応じてポイントが貯まり、走るとポイントをたくさん稼ぐことができるが、走ると足跡が地図に出てしまうので鬼に見つかりやすくなるというデメリットがある。走りに自信がない人は、忍び足で歩いて逃げるという作戦を使うことができる。

peta×peta

インタラクティブ・デザイン部門賞 gの天秤

MA11 gの天秤

MA11 gの天秤

天秤の両端の皿に液晶ディスプレイが載っている、ネットワーク連動のインスタレーション作品。いわゆるオブジェだ。リアルタイムに取得される検索ヒット数1件を1グラムに置き換え、ことばの重みをフィジカルな天秤の傾きによって視覚化する。

液晶ディスプレイには一定時間ごとに、8ヶ国語の中からランダムに選ばれる人間の評価に関わることば(容姿、運動神経、TOEICスコアなど)と、そのことばのGoogleでの検索ヒット数が表示される。天秤でつりあった言葉の例として、「TOEICの点数という韓国語」と「勇気」があげられた。こういった偶然を眺めるのも乙だという。

gの天秤

学生部門賞 PoiPet by SAWARITAI

MA11 Poipet

MA11 Poipet

ついついゴミを捨てたくなるインタラクティブなゴミ箱「PoiPet」を開発した学生のチーム。ゴミを分別するとキャラクターが反応してくれたり、分別履歴をライフログとして保存できる。

実際にこのPoiPetを設置し通常のゴミ箱と比較したところ、普通のゴミ箱ではラベルやキャップがつけられたまま捨てられていた数が多かったのに対し、PoiPetではキャップの分別は全て成功したという成績を残した。上記図参照。使用APIは、mbed 音声合成『VOICEROID+琴葉茜・葵』、Adobe AIR、YuMake気象情報API、今日明日天気予報。

PoiPet

Mashup部門賞 Openness-adjustable Headset:開放度を調整可能なヘッドセット

MA11 Openness-adjustable Headset:開放度を調整可能なヘッドセット

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Openness-adjustable Headset:開放度を調整可能なヘッドセット

これは、モータ制御により密閉型と開放型に、変形可能な機構を備えたヘッドセットで、言うなればインターネット接続されたスマートな「耳の蓋」だ。

例えば、音楽鑑賞時、サビに入るとヘッドセットが開放/密閉されて没入感や爽快感を向上する。他には、予め登録した、興味があるキーワードや音楽を音声認識すると自動的に開いて聞き耳を立てられ、聞きたくないキーワードや音楽を音声認識すると自動的に閉じることができる。使用APIは、音声認識API、 Microsoft Azure、 Gracenote 楽曲認識/音楽メタデータ SDK、 テレビチャンネル認識SDK(Evixar ACR SDK)、 動作推定API。

動画を見ていただいた方がわかりやすいだろう。

Openness-adjustable Headset: 開放度を調整可能なヘッドセット Ver.1.0

 

去年までのMashupAwardに比べ、今年は格段とIoTと呼ばれる作品が多くなったという。また来年も開催されることが決まっている。

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