先日行われた、リクルートが開催するものづくりやサービスのコンテスト「MashupAward11」では、IoTNEWSもメディアパートナーとして参加し、MashupAward11に応募された431作品の中から、IoTNEWS賞を提供させていただいた。
たくさんの作品があり選考に苦戦したが、オトナになると多くの人が気になる悩みをIoTで解決してくれそうな、ウエスト測定機能を持ったIoTベルト『おなかのげんじつ』を選ばせていただいた。

『おなかのげんじつ』は、人々の健康管理を「ちょびっと」助けるために設立され、奈良先端科学技術大学院大学を拠点に活動している学生グループ「Waiston Chobit Healthcare」が開発した。
開発者インタビュー
MashupAward11会場で、メカニック アクターの長谷川 高志さんと、エンジニア デザイナの松田 裕貴さんにお話を伺った。

-『おなかのげんじつ』を作ったきっかけを教えてください。
長谷川さん(以下、長谷川)「就職してから飲み会が増え、お腹が気になる」という同級生の話を聞いて、そういう悩みをサポートできるウェアラブル端末ができないかな、と思い開発をスタートしました。
-『おなかのげんじつは』はどういったことができるのでしょうか?
長谷川 一言でいうと、ウエスト測定機能を持ったIoTベルトです。
機能が2つあるのですが、1つはウエスト測定機能で、バックルの部分にエンコーダーが入っています。バックルについている軸がまわった量がセンサーで取得できるので、ベルトを押し込んだ量に対してその長さが取れ、全長からその長さを引いた値が表示されます。
もうひとつは、圧力測定機能があります。
アプリの黒い線(下記図参照)のところが圧力なのですが、食事をしている最中にお腹が膨らんでいったら、固定されている状態からベルトの張りが増えていくので、そういう短い周期の変化も取れれば、食べ過ぎ防止アラートなどを出せるようになります。

バネでロックできる機能がありますので、もちろん通常のベルトとしても使うことができます。
-今は電池がベルトと別になっていますが、ベルトそのものに全て入る予定はあるのでしょうか

長谷川 現状は、電池の部分にArduinoが入っていて、ここからBluetoothでスマホへ届くようになっていますが、ゴテゴテしていますので、デザインの修正と基板の小型化を同時に進めています。
基板はお金がかかるので少し止まっている状態ですが、プログラムを自分で書けば少しコストを抑えられるので、その準備をしている段階です。
-ウェアラブルはデザインも大事ですよね。バックル以外のベルト部分は汎用的なものを選べるのでしょうか?
長谷川 はい、ベルト部分は自由に付け替えが可能です。身に着けるものですし、デザインはどこに持って行っても重視されますので、スーツ姿でも使えるように、シックに落ち着いた感じにまとめたいと思っています。バックル部分の高さをできるだけ抑えたいのですが、基板を入れなければいけないなどの課題もあり、試行錯誤をしています。また、雨や何かこぼすこともあると思うので、耐水性は改良の余地があるかなと思います。
-食事でお腹が膨らんだのか、違う原因で膨らんだのかという見分けはできるのでしょうか。
松田さん(以下、松田) 加速度センサーをつけて、組み合わせで判断しようと思っています。12月に次のバージョンが公開される予定です。
-アプリも全てオリジナルで開発されたのでしょうか?
松田 はいそうです。まだモックアプリなので通信はできないのですが、グラフ表示やUIが体験できます。
-製品化はいつごろでしょうか?
松田 今参加しているプログラムの終わったところで、クラウドファンディングに出せるようなものを作りたいと考えているので、そこで資金調達をして、それからですね。検証なども必要なので、時期的には来年の半ばを目指しています。
-他のサービスと組み合わせることによって、もっと広がりがありそうですね。
長谷川 はい。『おなかのげんじつ』は日々の体の変化を取り、データをクラウドに上げることができるので、体重計などのクラウド管理ができるサービスなどと組み合わせたら、広い目でみた健康管理に使えるのではないかなと思います。
松田 今は体の外側をセンシングしてるんですけど、これを使って体の中、例えば腸の様子などがわかると、より面白いかなと思います。特に女性は中の事を知りたいというニーズもあるので、調整していければ面白いかなと思います。
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