富士通、バッテリーレス・フレキシブルビーコン ucodeタグ認定を取得

富士通株式会社は、量産性を向上させたビーコンの試作機で、ucodeタグ(注1)の認定をトロンフォーラム(注2)より取得した。

これにより、同ビーコンは世界で一意なID発信ができるようになり、より信頼性の高い位置情報サービスが実現できる。また、同認定は国際標準規格に準拠しているため、サービス提供のベースとなる各種の地図情報との連携も可能となる。

同ビーコンの試作機は、2015年12月9日(水曜日)から12月11日(金曜日)まで東京ミッドタウンで開催される「2015 TRON Symposium -TRONSHOW-」に参考出品される。

 

【従来のビーコンの課題】

従来のビーコンは、電波を発信するための電力として、電池を内蔵して定期的に交換するか、近くにコンセントを設置し、そこから常に電力供給を受ける必要があり、定期メンテナンスや大がかりな設 置工事など、運用管理に手間がかかっていた。また、プラスチックなどのハードカバーで覆われたビーコンが主流であるため、景観との調和が求められる場所や、設置したビーコンが落下する危険性に配慮が必要な場所には導入しにくいといった課題があった。

さらに、一般的なビーコンは、様々な企業・団体が各自で自由に体系化したIDを発するため、IDが重複する可能性があり、それぞれ独自のシステム内での使用に限られていた。

 

【同試作機の特長】

■簡素な回路設計と製造工程の見直しによる量産性の向上

これまでに開発したビーコン(注3)では、電気回路の配線パターンに、導電性のあるペーストを印刷しており、その上に電気部品を実装し、導電性のある接着剤で接合している。ペーストと接着剤は、既存の生産設備で量産可能な材料を選定している。

現在開発中のビーコンでは、よ り汎用的な電気部品で量産可能になるよう、回路設計の見直しを行った。また、ペーストや電気部品などの接合における乾燥工程では、温度や時間の最適条 件を洗い出し、量産の効率化を図った。これにより、従来の製造にかかる時間が短縮され、コスト削減もすることができた。

 

■ユニークなID発信による新たな位置情報サービスの実現

ユビキタス・コンピューティング基盤技術の標準化・推進団体であるトロンフォーラムから、ucodeタグのucode Category2(注4) の認定を取得した。

同認定を受けたことにより、国際基準に準拠したIDが使用できるようになり、駅構内や街中での視覚障害者の誘導支援やスタジアムな どの効率的な座席管理など、より安心安全で信頼性の高い位置情報サービスの提供が可能になる。

さらに、従来は建物などの固定物にビーコンを設置していたが、同ビーコンは変形可能な特性を生かして、服や靴へも貼付ができるため、人などの移動体への装着が容易になる。対象としたい人やモノの所在を すばやく把握し、サポートすることが可能になる。

 

<通常のビーコンと本試作機との違い>

通常のビーコン 本試作機
ベース基板 ガラスエポキシなど固い基板 ソフトなシリコーンシート
配線 銅箔などを化学処理によって付着 導電性のあるペーストを印刷
電気部の実装 はんだによる接合 導電性のある接着剤での接合

 

【今後の展開】

今後は、より生産効率の高い製造プロセスを確立させ、早期の製品化を目指す。また、同ビーコンとセンシング技術を組み合わせた新たな位置情報ソリューションの創出を図る。

 

注1 ucodeタグ:トロンフォーラムが規格化した仕様。ITU(国際電気通信連合)の国 際標準規格 H.642に準拠しているucodeは、個々のモノや場所を識別するために割り振られるID番号の体系のこと。ucodeのID発行・管理は、トロン フォーラムが行っている。ucodeを格納する装置はucodeタグと呼ばれる。ビーコンとしてのucodeタグは、「Bluetooth LE ucode マーカーパケット仕様」として、2014年12月にトロンフォーラムから公開されている。

注2 トロンフォーラム:ユビキタス・コンピューティングの実現に向け、オープンソース、オープンデータおよびオープンAPIを積極的に進める国際的な標準化・推進団体。公式サイトはこちら。

注3 これまでに開発したビーコン:2015年3月25日に富士通研究所が発表。太陽電池による電力量でビーコンを起動することができる新しい電源制御技術を開発。プレスリリースはこちら。

注4 ucode Category2:ucodeは特性ごとにインターフェースカテゴリーの分類基準があ り、Category2は「上位RFIDタグ(格納情報が変更可能でバッテリーを装備したタグ)」として定義され、「ucode タグインターフェース認定基準(Category 2)」として、トロンフォーラムから公開されている。

 

【関連リンク】
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