NTTデータ、スマートシティの実現に向け、Imtech Traffic & Infra社との渋滞緩和技術に関する共同研究を開始

株式会社NTTデータは、英国・エクセター市政府協力の下、Imtech Traffic & Infra UK Ltd(以下:Imtech)と、2016年度にエクセター市内で行う実証実験を想定し、NTTデータが保有する交通シミュレーションシステムと、Imtechが保有する交通管制システムを用いた信号制御による渋滞緩和技術に関する2年間の共同研究を2015年12月9日より開始した。

この共同研究の1年目では、NTTデータが保有する交通シミュレーションによる広域信号制御最適化技術と、Imtechが英国内の交通管制の運用ですでに活用している動的信号制御システム「SCOOT(スクート)」を統合することで、より広範囲かつリアルタイムで信号設定を最適化し、渋滞を緩和する技術の開発に取り組む。共同研究の2年目には、1年目の成果を基にエクセター市中心部の信号制御を最適化し、渋滞緩和効果を検証する実証実験を行う予定だ。

今後、NTTデータでは、同実証実験を含めた実績を基に渋滞緩和ソリューションを実用化し、日本国内および世界各国への展開等を通じて、スマートシティの実現に向けた取り組みを推進していく。また、世界各国で導入が進められているスマートシティ関連プロジェクトへの同技術の展開を図り、信号制御最適化ソリューションをベースとしたシステム構築・運用により、2020年度末までに100億円の売上創出を目指す。

 

【背景】

近年、世界各国において、情報技術を活用したより利便性の高い社会を実現するスマートシティの取り組みが進められている。英国においても最新のネットワーク化された信号機を導入した交通管制システムなどの高度道路交通システム (Intelligent Transport Systems:ITS)注1による公共交通管理や道路交通管制の取り組みが進められてきた。

この共同研究は、英国のスマートシティ・イノベーションを推進するInnovate UKファンドを活用し、NTTデータの英国子会社であるNTT DATA UKを筆頭とするコンソーシアムのプロジェクトの一環として実施する。

同コンソーシアムに参加する市政府、大学、ナビメーカー、システムベンダー等の産官学連携によって、交通情報の収集から、データ分析、管制システムへの反映など、実システムの運用を想定した共同研究を行う。

<コンソーシアムメンバー>

  • NTT DATA UK
  • Imtech Traffic & Infra UK Ltd
  • Vaisala Ltd
  • University of Exeter
  • Exeter City Council
  • Devon County Council

 

【共同研究の概要】

NTTデータは、これまで交通ビッグデータを用いた大規模・高速交通シミュレーション技術注2の開発に取り組み、2014年には中国・吉林市においてバスのGPSデータを用いた交通シミュレーションによる渋滞緩和の実証実験を行い、その効果を実証した。

Imtechは、欧州市場における交通管制・管理システム含む総合インフラ企業であり、交通管制に関する知見はもとより、実運用における信号制御の高度な技術・インフラについて多数の導入実績を保有している。特に信号管制システムにおいては、英国内のマーケットシェアで約6割を占めるリーディングカンパニーだ。

 

NTTデータとImtechは、これまでにも双方の持つ交通管制技術の高度化を目指して検討を続けてきたが、今回、Imtechが保有する交通管制システムとNTTデータが保有する交通シミュレーションシステムで用いている信号制御技術のそれぞれの強みが補完できる見通しを得たことから、双方の信号制御技術の統合による渋滞緩和に向けた取り組みについて2年間の共同研究を開始することとなった。

 

共同研究の1年目では、NTTデータが保有する交通シミュレーションによる広域の信号制御最適化技術と、Imtechが保有するリアルタイム信号制御システム「SCOOT」の適切な組み合わせを検討。従来のSCOOTでは道路に設置されたセンサーデータを基に信号制御を行っていたため、センサー未設置道路の信号制御は十分にできていなかった。しかし、NTTデータの保有するGPSデータを用いた交通シミュレーションによって、センサー未設置道路の信号設定を算出することが可能となり、双方の結果を組み合わせることで、都市全体の渋滞緩和をリアルタイムで行うことが可能な交通管制を実現する。一方、NTTデータはImtechの保有する信号管制ノウハウに基づき、交通シミュレーションの実運用上の課題を解決する。

2年目は1年目の成果を基に、エクセター市中心部の信号制御を最適化し、渋滞緩和効果を検証する実証実験を行う予定。

 

【今後について】

この共同研究および実証実験の成果は、2017年に発表する予定。

同検証の実績を基に、交通管制システムとのリアルタイム接続による渋滞制御の完全自動化を目指す。また、同実証実験も含めた実績を基に、交通シミュレーションと信号制御技術を組み合わせた渋滞緩和ソリューションを実用化し、日本国内および世界各国への展開などを通じて、スマートシティの実現に向けた取り組みを推進していく。

さらに、世界各国で導入が進められているスマートシティ関連プロジェクトへの同技術の展開を図り、信号制御最適化ソリューションをベースとしたシステム構築・運用により、2020年度末までに日本および海外で100億円の売上創出を目指す。

 

注1 高速道路交通システム(ITS)とは、人と道路と車両間の情報ネットワークにより、交通事故、渋滞などといった道路交通問題を解決する交通システム。

注2 大規模・高速交通シミュレーションを実現する交通ネットワークの高度解析技術としてNTTソフトウェアイノベーションセンタが開発したグラフデータ分析処理技術「等粒度クラスタリング技術」を活用している。

 

【関連リンク】
NTTデータ
Imtech Traffic & Infra UK Ltd

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