5Gは高速大容量通信に加え、多数同時接続や超低遅延の特徴を有し、あらゆるモノ・人などを安全に低コストで繋ぐことができ、企業のビジネス構造のDXを加速させる。さらに、日本においては企業や自治体などが個別ニーズに応じて敷地内で柔軟に自営の5Gネットワークを構築できるローカル5Gの制度も整備され、その期待が高まりつつある。
これまで、パナソニック株式会社はOctasic Inc.のシステムオンチップに組み込まれた非同期マルチコアを活用して、OctasicのLTE物理層ソフトウェアをsXGP向けに拡張し、免許不要帯域での干渉が大きい環境でも安定した通信を実現するsXGPシステムを開発し、無人自動バレーパーキングシステムなどに利用してきた。
このほど、パナソニックとOctasicは、従来からのsXGP(shared eXtended Global Platform)(※)などのプライベート4Gシステム開発の枠組みを拡大し、5Gとその高度化技術であるBeyond 5Gの共同開発に合意した。
同共同開発では、Octasicの新世代システムオンチップであるOCT3032上に両社のリソースと専門知識を掛け合わせ、5Gとその高度化技術を搭載した高信頼、低遅延および低消費電力の無線基地局プラットフォームを開発する。Octasicのオープンでプログラマブルなプロセッサプラットフォームには独自の非同期マルチコアを搭載しており、パナソニックの無線基地局開発における高性能、低消費電力、ソフトウェアによる拡張性の要件を満たすという。
また、パナソニックが移動通信技術分野における技術資源をOctasicに提供し、迅速に3GPP準拠の超信頼性低遅延通信(UR-LLC機能)の開発や非地上通信ネットワーク技術開発を進めていく。これにより、両社が相互にビジネス展開ができるプラットフォームを構築する。
同共同開発により、B2Bや航空業界向け非地上ネットワーク、その他のミッションクリティカルな業界への適用を目指す。
※ sXGP:日本国内において1.9 GHz周波数帯を使用した自営通信用TD-LTE規格。
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