製造業の現場では、人手不足に起因する作業員の負担増や孤独感が、さらなる離職を招くという悪循環に陥っているという声がありました。
電子機器製造を手掛ける北菱電興株式会社、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)、学校法人金沢工業大学(以下、KIT)の3者は、5Gを活用したスマート工場「Smart Smile Factory」(以下、SSF)を産学連携で整備し、開設した。
SSFは、北菱電興のいなほ工場にドコモの5Gエリアを整備し、実際に工場内で従業員が5Gを活用して業務にあたるものである。生産機械効率化のための「Smart」と、従業員のモチベーション向上等のための「Smile」の各種機能を搭載している。開設当初は、Smileの観点で「遠隔MR会議」と「バーチャル工場見学」の2つの機能を実用化する。
遠隔MR会議は、従来工場の製造担当者と別拠点の設計担当者が地理的に離れているため意思疎通が難しかったところ、設計図等の3DデータをMR空間上で共有し遠隔の社員同士が顔を見ながら話すことで、社員間のコミュニケーションを活性化させるものである。
バーチャル工場見学は、製品発注企業が品質確認のために従来対面で実施していた工場の視察行程を遠隔操縦ロボットの視界を5Gで伝送することで、発注元企業の自社オフィス等からSSF内を視察できるようにするものである。コロナ禍においても工場と発注元企業間の円滑なコミュニケーションを可能にする。
また、2021年度以降にはSmartの観点で「多視点による製造フロアの一元遠隔モニタリング」、Smileの観点で「常時映像接続による拠点間交流空間の整備」等に取り組む。2022年度以降には、Smartの観点で「無線での製造ライン構築」等に取り組むと共に、SmartとSmileの融合によるSSFを活用した新たな教育プログラムの推進と人材育成を検討するとしている。
なお、各者の役割は以下の通り。
- 北菱電興
- ドコモ
- KIT
SSFのコンセプトやロードマップ等の全体計画策定及びSSFにおける各種施策の実装
SSFの計画策定支援や5Gエリア構築、各種施策におけるソリューション・技術の提供
SSFの計画策定支援とSSFを活用した新たな教育プログラムの推進と人材育成
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