ソフトバンク株式会社は、5Gの特長を生かしたMECやネットワークスライシングなどを、低コストかつ容易に実現する技術「Segment Routing IPv6 Mobile User Plane」(以下、SRv6 MUP)を、4Gの商用ネットワークにも対応させ、5Gに加え4Gを対象とした「SRv6 MUP」のフィールドトライアルを開始した。
これにより、ソフトバンクの4Gおよび5Gのサービスエリア全体で、「SRv6 MUP」を適用したMECの低遅延通信を検証できるようになった。
また、ソフトバンクは、検証の一環として、新東名高速道路で4G・5Gネットワークに「SRv6 MUP」を適用した実証実験を行った。
この実証実験では、新東名高速道路の静岡・沼津市~浜松市の約130㎞の区間において、「SRv6 MUP」を適用した4G・5Gネットワークを活用し、高速で走行する車両に搭載したAIドライブレコーダからMECサーバへ映像データを伝送することで、4Gと5Gのハンドオーバー時を含めたデータ通信の低遅延効果と安定性を重点的に検証した。
その結果、「SRv6 MUP」を適用した場合と適用していない場合を比較し、レイテンシー(通信の遅延時間)の差が10ms以上となり、「SRv6 MUP」を適用した場合、低遅延で、かつ安定した通信を継続的に行うことに成功したのだという。
なお、車両に搭載したAIドライブレコーダで使用したアプリは、東京大学および高知工科大学が開発した広域分散実行基盤技術を基に、ソフトバンクと両大学の共同研究により開発された成果の一部とのことだ。
ソフトバンクは今後、「SRv6 MUP」の取り組みを拡充し、さまざまなユースケースの実証実験をフィールドトライアルとして実施していくとしている。
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