NTTドコモ、AIで通信品質を最適化するノキアの「MantaRay AutoPilot」を導入

モバイルネットワークの運用において、通信トラフィックの変動に合わせた品質の維持・向上は重要な課題である。

従来、基地局の設定変更を自動化するシステムは導入されていたものの、通信が混雑する場所や時間帯に合わせて、改善対象となるパラメータや設定の変更ポリシーをリアルタイムに設計・設定することは難しく、オペレータによる事前の手作業が不可欠であった。

こうした中、株式会社NTTドコモは2026年6月19日、AIを活用して通信品質を自動で最適化するノキア製の「MantaRay AutoPilot」を導入したと発表した。

同システムは、オペレータが目標とする品質の指標(インテント)を設定することで、AIが基地局のデータを収集・分析し、最適な設定変更ポリシーを自律的かつリアルタイムに導き出すプラットフォームだ。

NTTドコモ、AIで通信品質を最適化する「MantaRay AutoPilot」を導入
「MantaRay AutoPilot」の概要図

ドコモは、同システムをパブリッククラウド上に構築し、クラウド環境からネットワークの最適化を行う。

導入効果としては、これまで人手で行われていたパラメータの検討から効果測定までの一連のプロセスをAIが完全に代替し、品質改善の最適化サイクルを大幅に短縮する点が挙げられている。

具体的には、既存の最適化基盤と連携することで、AIが自律的に判断した最適化指示を最短15分という短い間隔で実行する。

これにより、昼夜を問わず通信が混雑する場所や時間帯に応じたリアルタイムな対応が可能となり、運用業務の負担を軽減しながら、より安定したデータ通信環境を提供する。

また、パブリッククラウド上に構築したことで、専用ハードウェアの調達に左右されず、迅速にシステムを展開できるというインフラ面での利点も備えている。

ドコモは同システムの活用を通じて、通信業界の国際的な団体であるTM Forumが定める「自律型ネットワーク レベル4(AIが人間の指示なしに自律的に制御・管理を行う段階)」の達成を目指しているとのことだ。

今後は、商用環境での運用を通じて効果を検証するとともに、クラウド上で提供されるさまざまなAI基盤との連携も視野に入れ、AIを活用した次世代のネットワーク運用の高度化を推進していく方針だ。