竹中工務店他、移動式クレーンの遠隔操作システム「CRANET」を開発

クレーンのオペレータは、毎朝一度事業所に出勤した後、建設現場に移動し、クレーンの運転席で1日を過ごす。そのため、移動時間の短縮や狭い運転席での作業による身体的負担の軽減、環境改善が求められている。

こうした中、株式会社竹中工務店は、株式会社タダノ、株式会社アルモと共同で、移動式クレーンの遠隔操作システム「CRANET（クラネット）」を開発した。

「CRANET」は、事業所オフィスに設置したコックピットから、遠方の建設現場にある移動式クレーンを遠隔操作するシステムだ。

また、事業所内に複数のコックピットを設置すれば、多数の若手オペレータに熟練オペレータ1名による指導教育が可能となる。

通信システムは、作業状況に応じて建設現場内を移動するクレーンに対応するため、光ファイバー等の有線回線を用いず、完全無線システムを採用している。データ通信規格は最新の移動式クレーンの情報信号に用いられるCANに対応している。

コックピットは、移動式クレーンの運転席を再現し、運転席周りの要所に設置した複数のカメラ映像を専用モニタにリアルタイム表示することで、揚重物を目視確認しながら操作することができる作業環境が実現した。さらに、モニタには動作信号および異常信号を常に表示する。

なお、竹中工務店は、高松市に設置した専用コックピットから、約70km離れた徳島市の建設現場に設置した移動式クレーンを遠隔操作し、材料の移動・積み込み・積み下ろし作業等を支障なく実施できることを確認した。

今後は、諸官庁と協議しながら2024年12月まで作業所での試験適用を行い、2025年度中の本格的な運用開始を目指すとしている。その後は、「CRANET」の普及を進めるとともに、移動式クレーンのみならず様々な工事用機械へと適用範囲を広げていく予定だ。

IoTNEWS編集部

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