リベラウェア・KDDIスマートドローン・大林組、建設現場にドローン1年間常設し遠隔自動測量の継続運用で効率化に成功

株式会社Liberaware(以下、リベラウェア)とKDDIスマートドローン株式会社と株式会社大林組の3社は、大林組が施工する工事の建設現場に、自動充電ポート付きドローンを1年間常設し、現場補助者なしの目視外飛行(レベル3)による週次の遠隔自動測量を継続運用した。

その結果、掘削量(体積)や現場の地形などの進捗状況を高精度に可視化することに成功したと発表した。

今回ドローンが常設された建設現場では、坑口上にある約70mの崖に約9万5,000m³もの岩塊が残存しており、東日本高速道路株式会社が供用中の高速道路を止めることなく岩盤を段階的に掘削するプロジェクトを2017年より開始。2023年2月からは岩盤掘削と、掘削土の搬出作業が行われている。

しかし、従来は、搬出する掘削土の質量をトラックスケールで計測し、その値から体積を推定しており、この方法で精度の高い進捗管理をするには、多くの手間や調整が必要であった。

また、測量による管理も可能ではあるが、掘削面は日々変化するため、定期的な現場測量は時間と労力の負担がかかるという課題があった。

こうした課題に対し、自動充電ポート付きドローンを活用することでの効率的な進捗管理を目指した形だ。

今回の取り組みでは、大林組がKDDIスマートドローンの遠隔運航サービスを活用し、自動充電ポート付きドローンを現場内に設置した。

そして、毎週東京都内のKDDIスマートドローンのオフィスでドローンを遠隔運航し、ドローンポートからの自動離着陸、現場全体の撮影、撮影データのクラウド転送までの作業を継続運用した。

さらに、撮影データをリベラウェアが3次元点群化して解析して掘削量を算出することで、工事進捗の可視化を行った。

リベラウェア・KDDIスマートドローン、大林組の現場にドローン1年間常設し目視外飛行で遠隔自動測量の継続運用に成功
ドローンの運用と可視化イメージ

その結果、現場測量を遠隔で行い、工事進捗の可視化を実現した。従来は現場でドローンを操縦、その後の点群データ生成と解析に2人で2日間かかっていた作業を、約20分の遠隔運航により、現場では無人で実現可能であることを確認した。

また、2024年の7月からドローン運用を開始してから、チャットアプリによる現場の退避状況や天候などの安全確認を併用して、1年間無事故で週次のリモート測量を継続運用することに成功した。

加えて、ドローンによる撮影から、撮影データのクラウドへのデータ転送、3次元モデルの生成、掘削量の算出、工事進捗の可視化までを、すべて一貫して自動化するフローを確立したのだという。

今後大林組は、今回の運用で得られた知見を生かし、出来形管理や品質管理への応用を進めていくとしている。

また、ダム建設工事など、他の土木工事への展開に加え、夜間や悪天候下での安定運用、さらなる自動化技術の実装を推進する計画だ。
 
なお、この取り組みは、国土交通省「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3 基金事業)」で採択された、「建設現場における施工管理の省力化・高度化技術の開発」の一環として実施されている。

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