ソニー株式会社とソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社、ソニービジネスソリューション株式会社は、病院内の多様な機器の映像をIPネットワーク経由でリアルタイムに一元化し、多用途の記録編集・管理・活用を可能にするメディカルイメージングプラットフォーム「NUCLeUS(ニュークリアス)」を提供開始した。
また、同プラットフォームを構築する新商品として、映像の管理・活用に関わる各種ソフトウェアライセンスを発売する。さらに、病院内の映像データの伝送を行うIPコンバーターも同時に発売する。
NUCLeUSの導入により、医療従事者は、手術室内外のワークフローに合わせて医療情報やデータを自由に選択して活用することで、病院内のワークフローを効率化できる。例えば、様々な機器からの映像を手術室内外にリアルタイム配信して、術野や進捗状況を共有できる。また、離れた場所からアドバイスを得るなど双方向のコミュニケーションを実現し、手術のサポートや若手医師の育成などにも活用できる。
同プラットフォームの詳しい特長は以下の通り。
- 柔軟性の高いプラットフォームで、お客様の要望に応じたシステム環境を提供
- 4Kの高画質映像を、IPでリアルタイムに配信・共有できるソニー独自のIP伝送技術
- 将来にわたって、プラットフォーム上でさまざまな機能拡張が可能
利用者にとって必要なアプリケーションを、ソフトウェアプラットフォーム上で必要なだけ組み合わせることができ、要望に応じたシステム提案が可能である。また、オープンAPIにも対応し、他社が作成するアプリケーションやユーザーインターフェイスを自由に搭載することができる。なお、IPコンバーターにより接続互換性にも優れ、メーカーを問わず内視鏡、モニターなど様々な機器と接続できるため、簡単にシステム拡張や構築ができる。
IPコンバーターでは、4K映像データの伝送に対応し、4K内視鏡などの将来的な4K対応機器の導入にも対応している。また、リアルタイムでの伝送を実現する、ソニー独自のLLVC(Low Latency Video Codec)を採用している。なお、IPコンバーターは、光ケーブルに加えて新たにLANケーブルにも対応し、利用者のニーズに応じたネットワーク環境を実現する。
システムの導入後も、ソフトウェアアップデートで新たな機能追加が可能なため、将来にわたって機器の交換をせずに、利用者のニーズに合ったシステム環境を整えることができる。また、医療をサポートする機能をもったソフトウェア(NUCLeUSスマートアプリケーション)を開発し、順次展開していく。今後は、当アプリケーションとしてAIや画像解析技術を用いた新しいソフトウェアの開発も進めていく。
また、各ソフトウェアアプリケーションの特長は以下の通り。
- スイッチング・ルーティング(映像切替ソフトウェア)
- コンテンツマネジメント(映像管理ソフトウェア)
- ブロードキャスト(ライブ配信ソフトウェア)
- テレストレーション(離れたところから映像に注釈を加えるソフトウェア)
- HISインテグレーション(患者情報システムとの連携ソフトウェア)
- ADインテグレーション(ユーザー認証システムとの連携ソフトウェア)
- IPカメラソース(カメラ制御ソフトウェア)
- NUCLeUSリンク(PC画像の送信ソフトウェア)
基幹サーバーや医療機器の手術映像、手術計画等のデータを、手術室内や検査室等に設置されたモニターに切り替えて表示することが可能である。
ネットワークを介してコンテンツを一括管理する。編集機能も標準搭載し、学会や院内カンファレンスで使用する手術映像を簡単に編集することが可能である。
ネットワークを通じて手術室から手術映像や音声を院内の関係者にリアルタイムで配信することができ、モニターなどで院内のどこからでも確認することができる。
配信された映像にハイライトや文字等を書き加え、離れた場所からの手術室とのビジュアルなコミュニケーションが可能である。
院内の患者情報システムから必要な患者・手術情報をNUCLeUSに自動で入力する。タッチパネルで計画された手術を選択することができ、入力の二度手間やミスを防ぐ。
院内ユーザー認証システムとつなぎ、利用者がNUCLeUSにログインする際、院内ユーザー認証システムで認証を行う。これにより、NUCLeUSへのユーザー登録・管理の手間を省く。
IPカメラの映像をNUCLeUSシステムに伝送し、パン・チルト・ズーム機能を制御できる。他にもパン・チルト・ズームのポジションについてプリセットが可能である。
PC画面で見る医療画像を送信するソフトウェアである。IPコンバーター(送信機)を必要としないため設置スペースも不要である。
なお、同製品の市場推定価格は400万円台(税抜)からだ。
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