現状のフィールドサービスでは、ユーザーが利用する産業機器にトラブルが発生した際にサポートセンターに電話で問合せ、解決しない場合はエンジニアによる訪問サポートを依頼するのが一般的である。しかし電話だけで正確に情報を伝達することは難しく、誤った認識で準備が不十分のまま訪問サポートしても解決まで時間がかかり、その結果、機器にダウンタイムが発生・長期化してしまうといった課題がある。
また、コロナ禍においては訪問サポートを最小限にする必要があり、リモートサポートサービス導入への期待が高まっている。
東京エレクトロン デバイス株式会社は、産業機器向けリモートサポートサービス「FalconLink on Azure」を開発し、販売を開始した。
同サービスは、ユーザーが利用する産業機器の操作画面をサポートセンターと共有することでフィールドサポートを支援する、産業機器向けリモートサポートサービスである。インターネットに接続するだけで操作画面・ログデータの共有が可能なうえ、他社ネットワークへのログインが不要だ。また、httpsプロトコルを採用したことによりSSL暗号通信に対応している。
サポートセンターはユーザーの許可の下、遠隔地からの操作画面やマウス・キーボードの操作、産業機器のログデータを共有することで、電話だけでは把握できなかったユーザーの状況を視覚的に正確に把握することができ、トラブル解消のアドバイスや、訪問サポートの必要性の判断や手配など、的確で迅速なサポートにより、トラブルの早期解決につながる。
また、ユーザーのセキュリティ・プライバシーの保護や組み込み機器のリソースに配慮し、操作画面の画像転送やリモート操作の許可設定をユーザー側の権限とすることで、ユーザーのポリシーや環境に合った利用が可能だ。
産業機器メーカーは、自社の機器に同製品を組み込むことで迅速なリモートサポートが提供でき、フィールドサポートの品質向上による顧客満足度向上と工数削減に寄与する。
なお、同サービスの機能及び料金は以下の通り。
カスタムモデル (サポート用クラウド環境を提供) |
SaaSモデル (当社クラウド環境利用) |
|
---|---|---|
機能 | ・画面共有 ・マウス・キーボード操作 ・ファイルアップロード ※ファイルダウンロード機能、 予知保全、IoT BIツールとの 連携などのカスタム対応可能 |
・画面共有 ・マウス・キーボード操作 ・ファイルアップロード |
開発費 | 250万円~ | – |
ランニング費 | 約8万円/月~ | 8万円/月 ※同時接続数10ユーザー |
メンテナンス費 | 1万円/月 | – |
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。