株式会社NTTデータ経営研究所とVIE株式会社(以下、ヴィー)は、音楽と脳波を用いた本人認証技術に関する研究成果を「NEURO2024」にて発表し、あらたな脳波による認証技術に関する共同事業化を開始した。
この研究では、脳波の特定周波数を惹起する音楽「Neuro Music」を用いることで、音楽を聞き流すことでに本人認証を実施する技術の実証を行った。
合計23名の被験者データを用いて、音楽に対する脳波反応の個人差から個人認証を行う予測モデルを構築したところ、99.5%以上の精度で認証ができることを検証した。なお、事前のモデル作成にあたっては、5分×5セット合計25分間の音楽聴取によって、個人毎に脳波を学習させた。
また、電極数について5ch(Cz,T3,T4,左外耳道, 右外耳道)と2ch(左右の外耳道内の2極)の2条件で比較したところ、2chのみでも5chと同等程度の認証精度が担保できることから、イヤホン型脳波計などの簡易型デバイスでも高精度に本人認証ができる可能性が示唆された。
さらに、別人を本人と誤って認証するリスクを低減するために、別人である可能性が少しでもある場合に認証拒否を行った場合の精度を検証した。
その結果、厳しい閾値を設定することで認証拒否される確率は高まるが、誤認証率は0%に近づけることができたのだという。
この技術は、音楽という特徴から、本人に能動的なアクションを求めることなく継続的に脳波計測・本人認証を実施することができる。これは「継続認証」と呼ばれる仕組みであり、認証に時間を要しても誤認証を避けることができる仕組みとしての活用が期待されているという。
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