株式会社アルファプロジェクトは、ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下、ルネサス)製のAI MPU(マイクロプロセッサユニット)「RZ/V2H」を搭載した組込みボードコンピュータ「AP-RZV2-0A」の販売を開始した。
「RZ/V2H」は、ルネサス独自のAIアクセラレータ、クアッドArm Cortex-A55 Linuxプロセッサ、デュアルCortex-R8リアルタイムプロセッサを搭載したMPUだ。さらに、AIアクセラレータ以外にもう1つの動的再構成プロセッサを搭載しており、画像処理やロボットアプリケーションに必要なダイナミクス演算を高速化する。
今回発表された「AP-RZV2-0A」は、この「RZ/V2H」が搭載されており、電力性能10TOPS/Wを実現しつつ、ファンレス設計かつ最大80TOPSのAI推論性能を発揮する。
また、画像処理や画像解析、機械学習などの機能を備えたオープンソースのライブラリであるOpenCVの処理は、CPU動作と比較して最大16倍高速に動作するアクセラレータを搭載している。
これにより、消費電力を抑えながら、複雑なAIモデルをエッジデバイス上で高速に実行することができる。
利用シーンとしては、ロボットビジョンや高度な画像検査、ドローン、監視カメラなど、エッジ領域でのリアルタイムAI画像認識システムの開発を支援する。

画像認識アプリケーションでは複数のカメラからの入力が求められるケースが多いが、「AP-RZV2-0A」は、MIPI CSI-2コネクタを4ポート標準搭載しており、最大4台のカメラを同時に接続する。
他にも、映像出力用のMIPI DSIコネクタ、無線LANカードなどを装着可能なM.2スロット(ボード上面配置)、高速なUSB 3.2 Gen2 Hostポート(Type-A)×2、USB 2.0 Function(Type-C)×1を備え、周辺機器との接続や機能拡張に対応する。

ソフトウェア開発環境としては、Linux SDKが提供され、各種AIフレームワーク(PyTorch, TensorFlowなど)や開発ツール(Docker, ROS2など)を実装可能。さらに、ユーザが開発したソフトウェア資産を活かしたカスタムハードウェア開発を視野に入れ、ボードの回路図も提供される。
なお「AP-RZV2-0A」は、日本国内のISO9001認証工場で生産されるとのことだ。
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