STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、組み込みSIM(eSIM)の「ST4SIM-300」が、GSMA SGP.32 eSIM IoT仕様の認証を取得したことを発表した。
SGP.32は、GSMAが公開しているIoT機器向けのeSIM規格だ。大規模な機器管理を簡略化するためのSIMプロファイルの一括プロビジョニングや、SMSを使用しないプロビジョニング、ダウンロードを最適化するための軽量プロファイル・テンプレートが提供される。
一方「ST4SIM-300」は、SGP.32仕様をサポートする認証取得済みeSIMの1つだ。3GPP/ETSIリリース17にも準拠しているため、3GやLTE、5Gのセルラーネットワーク(Cat-MおよびNB-IoTを含む)への接続が可能だ。
この仕様は、ユーザ・インタフェース機能が最小限であったり、狭帯域通信しか使えないようなコネクティビティに制約のあるIoT機器に適している。
今回「ST4SIM-300」がこの認証を取得したことにより、世界中のセルラー・ネットワークとIoTサービス・プラットフォームとの相互運用性が確保され、リモート・プロビジョニングによるネットワーク・プロバイダ間の容易な切替えが可能となる。
利用用途としては、モバイル・アセット・トラッキング機器やスマート・メータ、ヘルスケア機器のほか、広い動作温度範囲に対応する産業グレード品が挙げられている。
また、装置開発メーカはGSMA IoT SAFEアプレットを活用して「ST4SIM-300」をセキュア・エレメントとしても使用することができる。
さらに、はんだ付け可能なCSP(チップ・スケール・パッケージ)や取外し可能なカードなどのフォームファクタを選択することが可能だ。
なお、「ST4SIM-300」は、STとパートナーによる開発エコシステムのサポートを受けることができる。このエコシステムでは、SGP.32に準拠したeSIMを管理するためのIoTリモート・マネージャ(eIM)や、IoTプロファイル・アシスタント(IPA)、ブートストラップ接続などの不可欠なリソースにアクセスすることが可能だ。
また、「ST4SIM-300」のパッケージ・オプションには、2FF/3FF/4FF高耐久性プラグイン・カード、DFPN8 パッケージ、WLCSP24パッケージが用意されているほか、産業グレード品は-40℃~105℃の温度範囲で動作するとのことだ。
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