ネットワークテスト/可視化/セキュリティソリューションの大手プロバイダーであるイクシアは、高性能LTEテストシステム「IxLoad-Wireless」のセルラーIoT向けソリューションを発表した。
同ソリューションは、セルラーIoT対応のMTC(Machine-Type Communication:eMTC)およびNB-IoT技術に対応している。これらの技術は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)により新たに定義されたもので、5Gの基盤になるIoTのコアとなる技術と期待されている。
セルラーIoTは、低消費電力広域通信接続に対応し、頻繁にはデータ伝送を行わないデバイスやアプリケーションにワイヤレス通信機能を提供する。今日では、IoTデバイスは数が少なく、LTEネットワークにほとんど影響を与えないが、エリクソン(Ericsson)のIoT予測によれば2022年には広域IoTデバイスの70%がセルラー技術を利用し、2018年にはセルラーIoTデバイスの数が携帯電話を上回るという。
そのような状況に対応するため、現在3GPPコンソーシアムは5G向けに開発中の規格に対し、1平方キロメートルあたりデバイス100万台の接続密度を要求している。5Gの準備が整うまで、LTE通信事業者は既存の基地局をIoT接続に使用するためのソフトウェアアップグレードで新しいセルラー利用の増大に対応する必要がある。
「IxLoad-Wireless」は、ネットワーク機器メーカーや通信事業者がLTEコンポーネントとネットワークのパフォーマンスを総合的にテストできるよう、現実のネットワークに近いトラフィックを生成することができるという。
「IxLoad-Wireless」は、「S1-Lite」など複数のセルラーIoTインタフェースをサポートしている。「S1-Lite」は既存の「S1-MME」インタフェースの修正版であり、制御プレーンにおけるメッセージの送信や制御、あるいはユーザープレーンにおけるユーザー間のデータ転送に使用される。
また、「S11u」は小さなデータ伝送に使用されるが、これにより「IxLoad」はネットワークとIoTデバイス(UE)の両方をエミュレートし、個別のIoTネットワークノードまたはIoTエコシステム全体のテストを可能にする。
ラボ内でデバイスとネットワークのパフォーマンスを効果的に検証するには、テストトラフィックが現実のネットワークトラフィックを正確に疑似する必要がある。「IxLoad」は、ユーザー機器が所定の時間だけ休止し、バッテリを長持ちさせる省電力モードやeDRX(extended Discontinuous Reception)向けの信号やメッセージ送信など、IoTネットワークトラフィックの詳細をシミュレートすることで、現実に近いテスト環境を提供できるという。
【関連リンク】
・イクシア(Ixia)
・エリクソン(Ericsson)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。