凸版印刷株式会社は、ものづくりから卸、小売り、生活者にいたるサプライチェーン全体のデジタル化により顧客の事業変革を支援する「T-DX(トッパン・デジタルトランスフォーメーション)」を推進している。
一方、長野県は2019年9月にSociety5.0時代を共創するIT人材・IT産業の集積地「信州」を目指す「信州ITバレー構想」を策定している。快適な住環境と暮らしやすさを活かしたIT人材・IT企業集積や産官学連携のITビジネス創出を促し様々な産業のDX推進を目的とするプロジェクトに取り組んでいる。
また、長野県飯綱町では2016年度より「しごとの創業・交流拠点整備事業」を推進しており、その一環として、廃校を活用した地域の交流拠点施設「いいづなコネクトEAST」を2020年7月に開設予定だ。そして、この施設の企画から運営までの業務を凸版印刷が担っている。
そのような中、凸版印刷はT-DXにおける事業の核となるシステム開発部門の体制強化を目的とした開発拠点拡充の第1弾として、いいづなコネクトEAST内に「ICT KŌBŌ」を新設した。同施設は、地元教育機関の卒業生やU、I、Jターンの人財採用によるデジタル人財の確保と育成も行っていく。開設時は、オフィスにはセキュアビジネス系プラットフォーム関連部門の社員約4名が駐在している。詳しい特長は以下の通り。
- 開発に集中できるように設計された空間
- 地元の木材を活用したオフィス
- 他拠点ともロスの無いネットワーク空間
- 農家の知恵を参考にしたゾーニング
飯綱町の気候や環境を熟知した地元の建築家・施工会社と協業し、自治体から補助のあるストーブの導入やベランダの活用など、年中を通して過ごしやすいオフィス環境づくりを目指す。
長野県ならではのカラマツの木材やリンゴ箱といった農業資材の再利用など、都市部では実現しにくい温もりのあるオフィス空間を実現する。
モニターを通して東京のオフィスと常時接続し、また社内ネットワーク上でのコラボレーションツールを活用することにより、コミュニケーションや情報伝達の少ない開発環境を実現する。
りんごをつくる地元の農家を参考にオフィスをゾーニングしている。集中した開発作業を行なうエリア(農園・field)、作業前の準備や休憩をするエリア(納屋・barn)の2つに分け、1つの空間の中でもワークライフバランスをとれるよう工夫している。
凸版印刷は今後、同施設を活用した現地の人財採用を進めることでT-DXの推進を強化し、2022年までに同施設において25人規模の体制を目指す。また、地方環境の活用により、リモートワークなどの多様な働き方や地元の企業や人々との交流による新事業創出や地域の雇用拡大などにより、地方創生に貢献していく。
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