IDC Japan株式会社は、最新のAIシステム市場におけるユースケース別の予測を発表した。
IDCでは、19の産業分野における36のAI利用方法(ユースケース)について、国内市場を含むグローバルな支出額分析を、「IDC Worldwide Artificial Intelligence Spending Guide」として提供している。
2023年3月に発行したこの製品では、AIシステムのグローバル市場は2023年に前年比26.9%増の1,530億米ドルに達し、国内市場では前年比26.9%増の4,931億円に達すると予測している。
2022年の国内AIシステム市場は、ビジネスバイヤーおよび消費者のデジタルシフトが進む中、アプリケーションソフトウェア・サービスへのAIの組み込みやAIプラットフォームの活用が進展し、データ分析、業務自動化、顧客サービスへの適用など、AIの本格的な利用がさまざまな産業分野で拡大した。
IDCでは、AI機能を利用するアプリケーションソフトウェア・プラットフォーム、AIワークロードを実行するハードウェア、およびAIシステム構築に関わるITサービスに関して、産業分野別およびユースケース別にAIがどのように利用されているかについて分析し、5年間の予測を提供している。
この結果、国内AIシステム市場では、小売はスマートビジネスオートメーション、エキスパートショッピングなど、組立製造は品質管理など、銀行は詐欺分析調査などでAI利用方法が進んでいるとIDCは分析している。(トップ画参照)
このように、AIシステム市場では具体的な利用方法が提案され、業務の自動化、高精度化ばかりではなく、顧客サービスの高度化などへの応用が進んでいる背景でから、IDCでは、国内AIシステム市場の拡大は今後も継続すると予測している。
IDC Japan株式会社 Software/Service Solutions グループディレクターである眞鍋敬氏は、「為替変動、インフレーション、政変などグローバルな市場状況は不透明さを増している。デジタルレジリエンシーを向上させ、市場での競争力を確保することが、企業の生き残りの条件である。AIシステムは社内業務のみでなく、顧客エクスペリエンス領域においてもビジネス競争力の強化やあらゆる事業活動の精度を高めるためのツールとして利用が拡大するとみられる。さらに、大規模言語モデルの登場によってAIシステムのユースケースの拡大は加速するであろう」と述べている。
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