ブルーイノベーション、送電線に沿ってドローンが自動追従飛行して点検業務を効率化する「BEPライン」を提供開始

ブルーイノベーション株式会社は、たわみや揺れのある送電線に沿ってドローンが自動追従飛行し、点検に必要な各種データを撮影・取得することで点検業務を自動化・効率化・安全化するソリューション「BEPライン」を開発し、国内外の電力会社や設備点検・メンテナンス会社などに向けて、サービス提供を開始した。

BEPラインは、ドローンに搭載したモジュール内のセンサーが、送電線の自動検知とドローン機体ならびにカメラジンバルの制御を同時に実施する。ドローンは自動で送電線と適切な距離を保って追従飛行し、最適な画角で対象となる送電線を捉え撮影し続けるため、事前の飛行ルート設定なしで点検を開始できる。また、画像認識と異なり逆光や影、類似する構造物の影響を受けないため、常に高品質なデータ取得が可能としている。

さらに、ドローンが自動で送電線の追従飛行と映像データ取得を行うため、点検員は昇塔の危険やドローン操縦の負担がない。ドローンからリアルタイムに送られる映像を確認し、気になる点検箇所や異常箇所があれば、アプリ操作によりその場でドローンを一時停止させ、映像を拡大するなどして状況を確認することができる。

そして、送電線の自動追従飛行では常に一定の離隔距離を保ち、映像を記録するため、電線の映像を常に安定して画角に捉えることができ、送電線のより線までしっかりと記録できる。常に送電線を検知しながら飛行するため、送電線のたわみが大きい箇所や傾斜の勾配がある現場でも、常に送電線を追従しながら飛行し映像を記録するほか、風の影響でドローンの向きや位置が変わっても、位置や向きを補正して飛行する。

BEPラインを導入することで、従来の高倍率スコープやヘリコプターなどを使う従来の目視確認と比べ、点検品質の向上、点検員の安全確保、作業の効率化、コスト低減につながる。さらに、将来的な点検員不足や、設備の高経年化による点検対象増加への対応など柔軟な点検体制の構築と、データ利活用による施設の高度な運用・管理、予兆保全、DX化の推進に寄与する。

BEPラインには、ドローン機体に搭載する独自の送電線追従モジュールと操作・データ管理アプリから成り、自社で点検作業が行える「サブスクリプション」と、ブルーイノベーションのパイロットが、BEPラインを用いて企業の施設を点検する「委託点検」の2つのサービスプランがある。

サブスクリプションプランでは、メンテナンスや資産管理などの手間がなく運用コストも抑えられるため、年に数回、点検が集中する場合や、運用コストを抑えたい企業向けである。なお、サブスクリプションプランでもパイロット派遣が可能だ。また、オプションとして、企業自ら点検運用できるよう、運用・育成カリキュラム（許可申請など法規制関連や安全管理、実技講習など）も用意されている。

一方の委託点検では、申請届け出や当日作業など全てを任せることができるため、点検頻度が少なく、運用・管理が困難な企業向けだ。

なお、BEPラインには、ブルーイノベーション独自のデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform」をベースに、東京電力ホールディングス株式会社、および株式会社テプコシステムズと共同開発した「送電線点検用ドローン自動飛行システム」が採用されている。