NTT Com、遠隔監視下でドローンによる屋外建設現場の自動巡回を行う実証実験に成功

NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、株式会社大林組の協力のもと、屋外用ドローンポート「Skydio Dock for X2」を用いて、遠隔監視下で自律飛行型ドローンの「カテゴリーⅡ」での飛行場所を特定した補助者なし目視外飛行を実施し、屋外建設現場の自動巡回を行う実証実験に成功したことを発表した。

なお、「カテゴリー」とは、ドローンのような無人航空機の飛行を、飛行のリスクに応じて3段階に分類したものだ。

今回の実証における飛行は「カテゴリーⅡ」に該当し、国土交通省への飛行の申請を実施し承認を得ることで、第三者の立ち入りを制限することを条件として、無人航空機の飛行が可能となる。

今回実施された実証実験では、NTT Comが屋外の建設現場において、ドローンの遠隔操作による巡回ソリューションとして提供開始できるよう実運用を見据え、技術的な実証および法令を遵守した運用上の実証の両面を実施した。

技術的な実証としては、屋外用ドローンポート「Skydio Dock for X2」を活用し、屋外におけるドローンの自動離着陸および自動給電を実施した。

NTT Com、遠隔監視下でドローンによる屋外建設現場の自動巡回を行う実証実験に成功
屋外用ドローンポートからのドローンの離発着の様子

また、補助者なし目視外飛行を実現するための手段の一つとして、運用面の安全対策に加えて、インターネットを介しての遠隔監視を実施した。

さらに、GPSとVision、2つの制御技術を使い分け、橋梁下などGPSが届かない部分については、位置推定を行う制御技術「Vision」をベースとして自動飛行・撮影をし、撮影した映像や画像をクラウドサービス経由でリアルタイムに遠隔地にて確認した。

NTT Com、遠隔監視下でドローンによる屋外建設現場の自動巡回を行う実証実験に成功
左:Visionで建設中の橋梁周辺を自動飛行する様子 右:ドローンから送信されるリアルタイム映像

他にも、時刻を指定したスケジュール飛行を実施した。

法令を遵守した運用上の実証では、2022年12月の改正航空法に則った、飛行日誌への記載および飛行記録の管理を行い、記録の正確性は、クラウドに保管されたログ情報を活用することで担保した。

また、ドローンの運用に必要な確認・遵守事項について、現場作業員・管理者と一緒に確認したほか、NTT Comが飛行場所を特定した1年間の「無人航空機の飛行に係る承認」を取得した。

これらにより、ドローンを活用した屋外建設現場での進捗管理業務をより効率化できる可能性が確認された。

今後は、取得したデータの解析まで含めたソリューションとしての提供開始に向け、準備を進めていくとしている。

また、「docomo skyセルラードローンパートナープログラム」に加入しているSkydio, Inc.と共同で、セルラードローンの実現に向けた取り組みを進める予定だ。

なおNTT Comは、幕張メッセにて2023年6月26日から6月28日に開催される「Japan drone2023」に出展し、今回の実証に関する展示を行う。

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