自動運転の技術と法規制への取り組み -MOBILITY TRANSFORMATIONレポート2

テーマ2 移動の進化に必要な視点や取り組みは?

さて、2つ目のテーマは移動が進化するということを踏まえ、実際にどのような取り組みが行われているか?という問いが北川氏からあった。法的、そして技術的な面での議論が交わされた。

キャプション

佐藤氏からは自動車業界におけるM&Aの傾向について話があった。

データからみれば、M&Aの数自体は増えていないが、「CASE」というワードに象徴されるように自動車業界も新たな取り組みを行っていかなければならないという動きは、既に出てきている。

OEM同士の商業提携にはじまり、サプライヤー同士の合併ならHondaの話題が最近とりあげられ、JVという観点ならMONET、ソフトウェア観点でいえばApolloなどもあげられる。また、自動運転や技術の観点ならば、Waymo、TOYOTAのe-Paletteに搭載するソフトウェアを提供するTier4の資金調達などがあった。また、ダイムラーが出資する地図サービスのHERE、MaaSアプリならフィンランドのWhim、また国内外の配車サービスしかり、業界の垣根を超えた出資が活発に行われている。

どの企業も自動運転に関しては、スタートアップと提携していく動きがみられる。

さらに野辺氏からも、投資的な面と技術的な面からの解説があった。

自動車産業全体では100兆円の売り上げ対し、利益率がおおよそ10%。自動運転やEVの開発には30兆円必要だといわれているので、3年分の利益分が必要となってくる。そのため個社で、開発を実現することは難しく、共同で出資を行うということになる。この図では、どのプレイヤーがどんなコンテンツをつくっているかということを示しているとのことだ。

最後に北川氏より、移動の進化に必要な取り組み、お二人が考える進化はどういったものか?という問いかけがあった。

自動運転という観点で法改正は進んでいるが、電動キックボードや無人のデリバリーなど、道交法のカテゴリーにはうまくはまらないものが現れたとき、現在はあまり合理的でない規制が残っている。そこを今後変えていくことで、思い描く未来に近づくことができるのではないかと佐藤氏は締めくくった。

また野辺氏からは、自動運転の安全性に対してコメントがあった。事故が起きるのは、他の車や人がイレギュラーな動きをするからで、例えば、周りの人間や車が交通ルールを確実に守ってもらい、そのために法律を厳格にしてもらえばいいのかもしれない。しかし、法律を厳格にしすぎるとおおよそうまくいかないことが多い。むしろ、逆効果も往々にして発生することがある。今後は、安全なルールを自動運転車側、一般的な車で探っていく場面と必要性があるだろうと締めくくった。