新型コロナウイルス感染症が与えた「安全」、「節約」、「合理」、「家(家族)重視」、「協調」などの価値観変化は、消費や行動を大きく変容する可能性がある。全体として消費者行動は、より安心・安全に、そして楽しみ(お出かけなど)はより個人の価値観に合わせて効率/合理的にという方向になっていくと予想される。
株式会社NTTデータと株式会社unerryは、移動と目的地でのサービス利用に関わる社会課題を解決すべく新たな移動体験を得られる社会の実現を目的に、4月15日に資本業務提携を締結した。
NTTデータとunerryは、これまでデジタルマーケティングなどの分野で連携実績がある。今回の資本業務提携によりNTTデータの顧客基盤およびシステムインテグレート・アジャイル開発力と、unerryが保有する人流ビッグデータを合わせることで、unerryの地下街や施設内などの人々の行動を把握する「オフライン行動ビッグデータ」を活用して消費者行動の変化を捉え、買い物や旅行などにおける移動をより快適にする新たなサービスの提供を目指す。
同提携の第一弾として、2020年6月18日よりアフターコロナの世界における安心・安全な移動を支援するアプリ「おでかけ混雑マップ」を無償提供する。次に、個人ごとの興味・関心に合った快適な移動を実現する「モビリティ・コマースサービス」を2020年度内に提供を目指す。
おでかけ混雑マップ
おでかけ混雑マップは、アフターコロナにおける3密回避と安心・安全な移動を支援することを目的に、全国約2.8万店のスーパーやドラッグストア等の店舗近辺について、曜日・時間帯別混雑傾向が調べられるモバイルアプリである。詳しい特長は以下の通り。
- 店舗近辺の混雑状況が一目でわかる
- 曜日別・時間帯別の混雑傾向や店舗の営業時間がわかる
- Twitter上の店舗の話題・つぶやきがわかる
スマートフォンの位置情報(GPS)を元に、店舗近辺約100mの混雑状況をAI解析し「通常より混雑」「通常」「いつもより空いている」の3段階で表示する。これにより、店舗に行くタイミングの参考となる。
店舗を選ぶと、過去1週間の混雑状況や最新の営業時間が確認できる。
unerryが公開中の「お買物混雑マップ powered by Beacon Bank」に、NTTデータのTwitterデータ活用サービス「なずき」を組み合わせることで、混雑傾向だけでなく店舗に関する最新のつぶやきを確認することができる。店舗に行くかどうか迷っているときや、実際に訪問したときの参考になる。
これからの展望として、対象店舗の拡大、Twitterデータ分析から得られるお出かけに役立つ情報の提供、利用プラットフォームの追加(iOS)、混雑予測機能など今後の状況変化に合わせた機能追加を順次行っていく。
モビリティ・コマースサービス
第一弾の安心・安全な移動に続き、第二弾ではお出かけを個人の価値観に合わせて、より効率/合理的な移動体験を提供する。CASE/MaaS時代となり、自動車を中心とした移動事業者にとってはビジネスチャンスが拡大すると同時に、新規のプレーヤーも含めた複雑な業界環境となっている。それにより、消費者は、移動手段や移動中の体験、移動先でのサービス利用など、さまざまな場面での選択肢が広がりつつある。
そこで両社は、消費者視点で「移動」や「目的地での消費」までのお出かけ体験を一連のものと捉え、各業界の情報統合・サービス連携を推進する。同サービスでは、自動車やバスなどで移動する消費者と、飲食店や商業施設・観光地などの目的地サービス事業者をつなぎ、各業界のサービスを一体で提供する。また、人流ビッグデータなどから消費者の好みを理解し、個人に合わせたレコメンドやコンテンツを提供する。
現在、外部サービスとの接続を試行する移動事業者(自動車OEM、カーシェア、MaaSオペレーター等)およびサービス事業者(小売・観光・商業施設等)数社とモビリティ・コマースサービスの検討を開始し、一部では実証実験を実施している。今後、同サービスでの新たな移動体験の実現に向け、より多くの移動事業者、サービス事業者との連携を目指す。
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