ソフトバンク、自動運転の走行経路の設計や遠隔監視の運行業務などをAIで完全無人化する実証を開始

自動運転は、2023年4月の改正道路交通法の施行に伴って、特定の条件下でシステムが全ての運転のタスクを実施する状態である「レベル4(高度運転自動化)」が解禁される。

自動運転の実用化には、ドライバー不足の解消や交通事故の削減など、さまざまな期待が高まる一方で、サービスの提供に多くの機能やシステムが必要となり、導入のコストや維持費の高さが課題として挙げられている。

そうした中、ソフトバンク株式会社は、自動運転の走行経路設計や遠隔監視の運行業務などを、AIで完全無人化する実証実験を竹芝エリアにて、2023年1月に開始した。

改正道路交通法の施行に伴い、特定自動運行を行う際には、運用や緊急時の対応を担う特定自動運行主任者の配置が事業者に義務付けられている。特定自動運行主任者は、車内もしくは遠隔で対応することが可能だ。

そこで今回の実証実験では、「車外の遠隔監視AIによる自動化」「自動運転車内の運行支援システムの開発」を行う。

車外の遠隔監視AIによる自動化では、自動運転の運行で大きな工数を占める、遠隔での自動運転車両の監視において、監視者が対応する上で必要な情報を自動で取得・編集する遠隔監視のAIを開発し、そのAIを活用した検証を行う。

自動運転車内の運行支援システムの開発では、人の有無や転倒検知など車内の状況を自動的に分析し、分析の結果に応じて音声案内や遠隔監視者との連携を行うなど、複数の機能を搭載した運行支援システムの開発に取り組む。

これらのシステムを車外の遠隔監視のAIと連携させながら、タクシーや小型マイクロバスなどを対象に、さまざまなMaaSのユースケースを想定し、開発を進めていくとしている。

また、デジタルツインによる運行の最適化に関する検証も行われる。

自動運転は、走行コースを自動運転システム(ADS:Autonomous Driving System)で学習して運転を実現するため、運行設計領域(ODD:Operational Design Domain)の策定が必要だ。ODDの策定には、走行経路の交通環境や危険な場所など、特定の環境や条件を把握しなければならない。

そこで、デジタルツインによる仮想空間と、事故データや交通データ、人流データなどを活用して、シミュレーションによる走行経路の効率的な分析を行い、最適な走行経路を自動的に算出する技術の検証を実施する。

さらに、自動運転の運行システムの品質向上のために、的確なフィードバックを得るための検証も実施される。

自動運転サービスでは、道路上の交通環境の特性を正確に捉えて、発生した事象を把握することが重要だ。

そこで、実際に自動運転車の走行時に発生する事象をプラットフォームに集約してシナリオ化し、さまざまな自動運転の運行システムの品質向上を支援するための検証を実施する。

なお、今回の実証実験で活用する自動運転の運行システムには、May Mobility Inc.(メイモビリティ)のADS(Autonomous Driving System)などを使用する。

ADSから得られるデータを基にメイモビリティと連携し、自動運転の運行管理業務とその自動化に必要な機能を開発して検証する。また、自動運転車の運行はMONET Technologies株式会社と共に行われる。

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