チューリング、自動運転向け生成世界モデル「Terra」を開発

Turing株式会社(以下、チューリング)は、自動運転向け生成世界モデル「Terra(テラ)」を開発したと発表した。

「Terra」は、現実世界の物理法則や物体間の相互作用といった状況を理解し、リアルな運転シーンを動画として出力することが可能な生成世界モデルだ。

「アクセル」「ブレーキ」「ステアリング」などの詳細な運転操作情報を含むチューリング独自の走行データと、オンラインで公開されている走行映像の合計約1500時間分のデータを学習に使用しており、任意の運転操作を高精度で再現することが可能だ。

「Terra」を運転シミュレータとして利用することで、右左折や突発的な状況への対応などを学習・評価することができる。工事などにより路面に障害物がある場合や、運転操作を誤り進路を逸脱した場合など、一般的な運転シーンでは遭遇しづらいエッジケースのシミュレーションにおいて高い効果が期待されている。

また、「Terra」を自動運転システムの一要素として利用することで、現在の交通状況を分析し、未来の予測結果を自動運転システムの運転判断に用いることできる。

具体的には、カメラ画像から得られたデータを解析し、周囲の歩行者や他車両の動きなどの詳細な状況を理解・予測した上で、自動運転のメインシステムと連携することで、より高度な運転判断を行うことが可能になる。

チューリング、自動運転向け生成世界モデル「Terra」を開発
「Terra」の仕組み

なお、今回公開したモデルは2024年4月に開発を開始した初期バージョンで、今後チューリングはさらに学習を進めるほか、言語理解を行うLLM、複数種類のデータを元に高度な判断を行うマルチモーダルAI、空間把握と身体性を持つエンボディードAI、という3つのステージを経ることにより、2030年までに完全自動運転車両を開発することを目指すとしている。

[「Terra」紹介動画]

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