マシンビジョンと工業用バーコードリーダのサプライヤであるCognex Corporation(以下、コグネックス)はIn-Sight D900エンベデッドビジョンシステムを発表した。
In-Sight D900は、ディープラーニングアプリケーションを実行するために設計されたIn-Sight ViDiソフトウェアをIn-Sight工業スマートカメラに内蔵したビジョンシステムである。この組み込みソリューションを使用することにより、ファクトリーオートメーションを採用している企業は、従来のルールベースのマシンビジョンツールでは展開が難しく人による検査では困難な光学文字認識(以下、OCR)、アセンブリ検証、欠陥検出アプリケーションを容易に解決できる。
詳しい特長は以下の通り。
- In-Sight ViDi読み取りツールで難しいOCRアプリケーションを使用可能に
- In-Sight ViDi チェックツールでアセンブリ検証を行う
- In-Sight ViDi 検出ツールで複雑な欠陥検出タスクを分析する
- カスタマイズ対応ビジョンシステムの実装
In-Sight D900読み取りツールは、OCRを使って対象領域を定義し文字サイズを設定することで、変形したコードや傾いたコード、エッチングが不十分なコードを解読する。箱から出してすぐに使用可能で、ディープラーニングによるフォントライブラリを使えば開発時間を短縮できる。新しい文字が導入された場合、このツールを使えば従来のOCRでは解読できないアプリケーション特有の文字を読み取り可能だ。
In-Sight D900は、複雑な特徴や対象物を確実に検出し、ユーザーが定義したレイアウトに基づいて部品やキットが正しく組み立てられているかどうかを検証する。In-Sight ViDiチェックツールは、コンポーネントを登録して幅広いライブラリを作成することで、さまざまな角度で表示されたり、サイズが異なる場合でも、画像内で位置を特定できる。
In-Sight ViDi検出ツールは、良品の画像を登録して欠陥のある部品を特定する。In-Sight ViDi検出ツールは、欠陥の外観が予測できない状況でも、複雑な部品や表面の異常を見つけることができる。
In-Sight D900のIn-Sight ViDiアプリケーションはPCが不要だ。モジュール式のIP67準拠ビジョンシステムで、現場で変更可能な照明、レンズ、フィルタ、カバーを含み、アプリケーション要件に合わせてカスタマイズできる。また、生産ライン速度で複雑なディープラーニングアプリケーションを解決するために特別に設計された組み込み推論エンジンも含まれている。
In-Sight D900を活用することで、自動車、家電製品、消費財、包装、食品および飲料、医療機器、ロジスティクスなど、さまざまな業界にわたる複雑な検査アプリケーションの自動化に貢献できる。
コグネックスのビジョン製品担当上級副社長のJoerg Kuechen氏は「先進的な各メーカーは、目視やルールベースの画像処理では複雑すぎ、かつ時間も費用もかさむ検査の課題解決にディープラーニングビジョンを取り入れつつあります。当社のViDiディープラーニングソフトウェアをIn-Sightに搭載したことで、お客様は非常に複雑な外観検査でも、迅速、簡単、そして経済的に解決できます」と述べている。
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