これまで多くの製造現場では、設備にタワーライトを設置し現場担当者が点灯状態を目視確認することで稼働状況の監視を行ってきたが、新型コロナウイルスの影響で製造現場における省人化へのニーズが高まり、現場に赴かなくてよいリモート監視システムが注目されている。
しかし、タワーライトの点灯状態のデータをセンシングするには、センサー取りつけのために製造設備の稼働を停止しなければならず、さらにセンサーに電源を供給するための配線工事などの作業が必要である。また、データを収集、可視化するシステムの開発も不可欠であり、導入時のコストや作業負荷、システム開発工数が課題となっている。
東京エレクトロン デバイス株式会社(以下、TED)は、IoTを用いた設備稼働のリモート監視システムを簡単に構築でき、稼働状況をリアルタイムでモニタリングする「設備稼働リモート監視キット」を販売開始した。
同キットは、タワーライトセンサーの点灯状態のデータをIoTゲートウェイ経由でクラウド(Microsoft Azure)に収集して可視化する、リモート監視システムを簡単に構築できるIoTキットでである。
光学センサーにより点灯状態を検出できるAdvantech製のタワーライトセンサーは、EnOcean無線通信技術を用いることでバッテリーが不要となり、電源供給の配線作業をなくすことができる。ワイヤレスであるため、既設のタワーライトに容易に取り付けることができ、導入時の設置工事も必要ない。
タワーライトの点灯状態のデータはIoTゲートウェイ経由でMicrosoft Azure上に収集し、IoTプラットフォーム(Advantech WISE-PaaS/EdgeSense)により点灯・消灯・点滅の3つの状態をモニタリングすることで、設備の稼働状態の可視化と稼働率の累積表示をリアルタイムで行う。ユーザーの使用するタワーライトに応じて、表示するGUIのカスタムも可能だ。
また、モニタリングデータをCSVファイルで出力して設備の停止回数やアラートの内容を分析することで、設備の稼働率向上や作業効率改善を検討することもできる。
同キットにより、設備の稼働状況のリモート監視システムの導入コストや工数を削減するとともに、生産性や品質の向上に寄与する。
なお、同キットの提供価格は298,000円(税抜)である。
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