国内では、高度経済成長期に建設され、現在も現役で稼働しているプラント数多く存在している。稼働年数が長くなるに従い、老朽化に伴うトラブルの事故のリスクが高まることから、安定創業を実現するための定期点検やメンテナンスなどの保全業務の重要性が増している。一方、保全業務の現場では、熟練技術者及び技能者の高齢化や労働人口の減少、さらには新型コロナウィルス感染症拡大の影響などへの対応が新たに求められている。
株式会社ソラコムとバルブ及び流体制御用機器を提供する株式会社キッツは、キッツが展開するバルブの故障を未然に防ぐことを目的としたバルブメンテナンスの遠隔監視ソリューションにソラコムのIoTプラットフォーム「SORACOM」を採用し、プラントや工場における生産プロセス向けに、バルブの異常の予兆検出を行うモニタリングサービス「KISMOS(KITZ SMART MONITORING SYSTEM)」として提供を開始した。
KISMOSでは、ボールバルブやバタフライバルブなどのクォーターターンバルブの主な動作不良の予兆はバルブの開閉速度の変化に現れることを利用し、センサをアクチェータの出力軸部に取り付け、バルブの開閉動作の角速度をモニタリングすることで、人の目では判断できないようなわずかな動作の変化を捉えることができる。
また、機器類は無償で現場に設置され、既設のバルブにセンサを取り付けるため、生産プロセスを長時間停止することがない。
さらに、キッツがバルブの状態をモニタリングし、定期的なレポーティングを行う。異常の予兆を検出した際は、企業に連絡し対応方法についてアドバイスする。
今回、同ソリューションにSORACOMを採用し、セルラー通信(LTE)を利用することで、新規のネットワークを敷設することなく短期間、少ない初期コストで、企業に同ソリューションを導入可能となった。ソリューションに使われるIoT通信の状況をキッツ側で管理することもできる。
また、これらのデータは、キッツが管理するクラウド上の分析基盤に蓄積される。クラウド連携をサポートする「SORACOM Funnel」を活用し、SORACOM側でクラウド連携の認証を保管・付与することで、デバイス側の設定を最小限に抑え、キッツの分析環境があるクラウド(AWS)への連携を実現する。
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