凸版印刷株式会社は、製造工場における排水の水位や水素イオン濃度を始めとする環境データを自動収集し、工場全体のリスクマネジメント強化を可能とする統合的な監視システム「e-Platch(イープラッチ)」を開発した。
「e-Platch」は、凸版印刷が2021年10月に自社工場内に構築した「環境データ自動収集システム」をベースに、パッケージ化したものだ。
次世代LPWA(低消費電力広域ネットワーク)規格ZETA(ゼタ)を活用し、既存の測定器を活用したデータ自動収集システムを構築。自社工場への展開を進めてきた。
今回、アルプスアルパイン株式会社と凸版印刷が技術や知見を持ち寄ることで、アナログメータへの後付けが可能な「遠隔自動検針」を、ZETAネットワーク上で活用することが可能となった。
そして、アナログメータの遠隔自動検針機能と、専用監視アプリケーションを新たに追加することで、環境データの分析やレポート生成まで含めた統合モニタリングを実現している。
なお「e-Platch」は、2022年6月29日から7月1日に開催される「第1回 ローカル5G/IoT活用展」のZETAアライアンスブース内にて展示される予定だ。
「e-Platch」の特長
ZETAを活用した無線通信ネットワークを構築
電池駆動タイプの中継器を適切に配置することで、死角のない無線通信ネットワークの敷設が可能。
データ変換機器「ZETABOX」
データ変換機器「ZETABOX」により、測定器から出力されるデータをデジタル化し、ZETAネットワークに転送。既存の測定器が流用できるため、導入コストを低減でき、データ収集に伴う測定器のメンテナンスなどの作業変更も不要。
アナログメータの遠隔自動検針機能
工場内巡回の負荷を低減するアナログ式メータの遠隔自動検針を、アルプスアルパインが開発したIoTソリューション「アナログメータ監視システム」とのシステム連携により、「ZETA」対応版のシステムを構築。(トップ画参照)
指針に装着した専用マグネットホルダの動きを磁気センサで計測し、指針角度をZETA通信技術によりクラウドサーバ上に送信。メータ値を算出し、アプリケーション上で「見える化」する。
また、既設のアナログメータに後付けすることで、低コストでメータ値の遠隔モニタリングを可能とする。現在主流となっている「カメラ方式」と比べ、カバーのくもりや照度不足など、計測環境の影響を受けにくい測定を行うことができる。
「e-Platch」専用監視アプリケーション
各種センサで収集したデータは、クラウド型システムプラットフォーム「ZETADRIVE」で管理される。「ZETADRIVE」で管理されたデータは、専用監視アプリケーションとのAPI連携により、データ分析、グラフ作成、アラート機能、レポート生成などに対応し、環境保全業務を統合的に見える化する。
NAVINECT」との連携
「ZETADRIVE」を介して、製造DX支援ソリューション「「NAVINECT」と連携することで、製造ラインの監視の選択肢を大幅に増やすことも可能となる。
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