デジタルソリューション株式会社は、オペレータが付与した注文の優先順位を反映しつつ、処理の休止時間を最小化するよう、複数の炉への割当てを自動で決定するサービスの提供を開始した。
このサービスは、広島大学大学院先進理工系科学研究科の中野浩嗣教授とNTTデータグループが、共同で開発した最適化ツール「QUBO++」を用いた自動車部品の熱処理工場向け工程スケジューリングの成果を活用したものだ。
具体的には、コアとなるアルゴリズムである最適化計算ソルバに「QUBO++」を用いている。「QUBO++」を用いることで、ハイスペックな計算環境やGPUを必要とせず、標準的なPCで実用的な処理速度が期待できる。
利用方法は、「注文の条件」「製品の情報」といったシンプルな入力をすることで、いくつかのスケジュールが提示される。

いくつかのスケジュールの中から、ベスト結果を選択することで、稼働期間を可視化することができる。

なお、結果一覧はCSVファイルで出力可能で、別システムで取り込むことができる。

同サービスは、すでに株式会社ナガトの工場で本番運用が開始されており、従来はオペレータが手作業で作成していた作業計画を、短時間で自動生成できるようになったという成果が報告されている。
今後は、2025年の秋以降、企業・大学の研究開発部門向けに「QUBO++」ライセンスおよび技術サポートを提供するほか、「QUBO++」を用いた個別案件の受託を開始する計画だ。
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