自動車産業において、新車販売は景気や為替、金利といったマクロ経済指標に大きく左右される。
しかし、多岐にわたる指標を統合的に分析し将来需要を見通す仕組みが不足しており、販売計画や在庫管理が担当者の経験と勘に依存しがちであるという課題が指摘されている。
また、販売予測と在庫管理プロセスが分断されていることによる手作業の負担増大や、グローバル展開における各国の複雑な法規制調査に多大な工数を要することも、業務の効率化と迅速な意思決定を阻む要因となっていた。
こうした中、common株式会社は2026年3月9日、自動車関連事業者向けに特化したAIエージェント「Kuruma AI」の提供を開始したと発表した。
今回提供が開始された「Kuruma AI」は、GDP成長率や金利、消費者物価指数(CPI)などの経済指標を設定することで、強気や弱気といった複数のシナリオに基づき、メーカ別の将来販売台数を予測するSaaS型のソリューションだ。
2024年までの過去データを用いた検証では、年間平均誤差率1.21%という予測精度が確認されており、実務の需要計画に耐えうる水準を実現しているという。
最大の特徴は、AIが算出した販売台数予測をもとに、月別・車種別の販売在庫管理表(荷繰り表)を自動で生成する点にある。
入庫予定や在庫残、販売見込みが一覧で可視化されるため、担当者は複数シナリオでの在庫シミュレーションを通じて、過剰在庫や欠品リスクを早期に把握し、経営判断に直結するデータを即座に得ることが可能となる。
さらに、予測値の算出根拠をAIが自然言語で解説する機能や、自動車関連ニュースと連携したチャット形式でのQ&A機能を備えている。
加えて、販売レポートや市場分析資料の自動作成など、日常的な定型業務を自然言語での指示によって処理することができる。
他にも、輸出入においてネックとなる各国の安全基準、排ガス規制、関税制度といった法規情報の調査において、AIが横断的な検索を実行し、根拠となる情報源を明示した上で最新動向を整理して提示する機能を搭載している。
commonの代表取締役である石川毅志氏は、「本サービスが自動車ビジネスに必要な予測から分析、業務支援、調査までをワンストップで支援するものである」と言及している。
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