近年、医療現場でも働き方改革が促進されており、その中でも特に医師の長時間労働が問題視されている。しかしながら、個人情報保護やプライバシー保護の観点から、医療機関よりセキュリティの高い接続形態を求める要望が強まっている。
Ubie株式会社は、全国の医療機関向けにパブリッククラウド上で提供するAI問診システム「AI問診Ubie」に対し、東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)、西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)が提供するIPv6閉域網サービス「フレッツ・VPN プライオ」を利用した閉域VPNプランを追加した。
AI問診Ubieは、従来、医師や看護師などの医療従事者が患者に問診して電子カルテに手入力で転記していた作業を、患者自身がタブレットへ入力することでカルテ入力を効率化すると共に、診察前に約5万件の論文データベースからAIが参考病名リストを表示することで、医師業務のサポートや負担の軽減が実現可能となる。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い「COVID-19トリアージ」支援システムを拡張した。これにより、スマートフォンを用いた自宅での事前問診や専用タブレットを用いた来院直後の問診、アラート機能による院内でのトリアージ実施と三段構えでCOVID-19疑い患者との濃厚接触を低減し、院内感染の抑止を支援する。なお、AI問診システムは、厚生労働省のタスク・シフティング等勤務環境改善推進事業(※)による補助金施策の認可を得たプランである。
一方、フレッツ・VPN プライオは、IPv6を活用した閉域網のVPNサービスである。IPv6アドレスを用いたダイレクトな通信を実現することで、低遅延で安定した通信を実現する。特に、安定かつセキュアな環境が求められる重要データ送信時に活用されている。
今回提供されるサービスでは、インターネット経由で接続していたAI問診システムにIPv6を活用した閉域VPNプランを利用することで、インターネットを介さず医療機関が求めるレベルでのセキュリティを保ち、低遅延で安定したサービス提供が可能となった。
これにより、紙で一律に行われている受付時の問診をデジタル化すると共に、およそ5万件の論文データベースを基に開発されたAIが参考病名を表示・電子カルテ記入を補助することで、医療現場での働き方改革・生産性向上に貢献する。
※ タスク・シフティング等勤務環境改善推進事業:タスク・シフティングなどの勤務環境改善の先進的取組を行う医療機関に必要経費を補助するとともに、当該取組の効果・課題について検証・評価し、周知することにより先進的取組の普及を図ることなどを目的とした厚生労働省が実施する事業。
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