創薬の領域において、膨大な時間とコストがかかる開発プロセスの効率化と成功確率の向上が製薬産業の大きな課題となっている。
近年、AIを用いた標的分子の探索や仮説生成(ドライ研究)が進んでいるものの、現在の創薬エコシステムを競争力のあるものにするためには、AIの予測結果を細胞や生体を用いた実験検証(ウェット研究)と有機的に結びつけ、その結果を迅速にAI解析へ還元するサイクルの高度化が不可欠となっていた。
こうした中、株式会社FRONTEOと東京科学大学は、東京科学大学横浜キャンパス内に「FRONTEO AI創薬エコシステム協働研究拠点」を2026年4月に開設したと発表した。
この拠点は、FRONTEOのAI技術と東京科学大学の実験技術を同一拠点で融合させるプラットフォームだ。AIによる仮説生成と実験による検証を循環させる「仮説検証ループ」を高水準で実現する。
FRONTEOが提供する方程式駆動型AI「KIBIT」は、論文に直接記載されていない疾患と遺伝子の非連続的な関連性を予測する機能を持つ。
同技術を活用したサービスでは、従来約2年を要していた標的探索のプロセスをわずか2日に短縮した実績がある。
このAIによって抽出された創薬標的分子候補やメカニズムの仮説に対し、東京科学大学は独自の「PLOM-CON解析法」や「リシール細胞技術」を活用して迅速に実験検証を行う。
これにより、通常であれば十数年かかる疾患の発症過程を実験室で短期間に解析し、その結果を再びAIにフィードバックすることで、創薬研究の不確実性を抑制し、成功確率を飛躍的に向上させることが可能となる。
両者は今後、がん領域をはじめとする有効な治療方法が見つかっていないアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域を対象に共同研究を推進する計画だ。
研究を通じて見出された有望な創薬シーズについては、製薬企業への導出(ライセンスアウト)も視野に入れた展開を検討していくとのことだ。

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