近年、テレワークの普及で暮らし方や働き方に対する意識の多様化が進み、地方自治体では、子育て支援・住宅建築補助・起業支援などの暮らしを支える制度を作り、地方への移住を促進する動きがある。
一方、電話による質疑応答やホームページの掲載では、最新情報や臨場感のある街の様子が伝えられないという課題があった。
そうした中、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は、メタバース活用の課題や有効性を確認する目的で、バーチャル空間での移住相談窓口を地方自治体に提供した。
提供期間は2023年2月1日から3月10日までの約40日で、地方自治体や移住を検討している人(以下、移住検討者)がアバターを通して、地域の暮らしや各種制度などについて情報交換できるコミュニティとして活用ができ、移住マッチングによる地域社会の活性化につながることを目指す。
メタバースの展示会場には、monoAI technology株式会社が開発・提供するメタバースプラットフォーム「XR CLOUD」が採用されており、地域の実際の風景画や動画により地域の特色が説明される。
移住検討者は、専用のWebサイトに申し込み、PCやスマートフォンを使って自宅やリモート先から参加することができる。
職員の他に、既に移住している人の参加も可能で、アバターを通して、就職情報や住宅物件、病院・公園・学校といった施設、子育ての支援制度などについての相談ができる。
アバターの顔や制服の造形、マスコットやロボットなどの新キャラクターの追加も可能で、地域の特色を活かしたカスタマイズが可能。
移住相談が増えた場合でも、AIの代理応答機能を持つアバターを使って、説明員を増やさずに対応することもできる。
今回の期間中、奈良県宇陀市の出展が決まっており、特設会場でのイベントを2月23日に開催予定だ。

同時に100人の参加が可能で、市長の挨拶や先輩移住者の紹介・相談コーナーの開設などの各種プログラムが準備されている。
CTCは、メタバースの展示ブースの提供に加えて、イベントの開催支援やPC操作に関するヘルプデスク、アクセス・資料のダウンロードのログからの行動分析などのサポートを提供する。
また、展示会参加者からの意見をもとに、ユーザ体験(UX)やバーチャル空間の機能、イベント運営などの改善につなげ、将来に向けた実用化を目指すとしている。
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