Diver-X株式会社は、カメラ式ハンドトラッキングと併用する事を想定した、XR用小型触覚デバイス「ContactGlove Lite」を発表した。
「ContactGlove Lite」のデバイスには、高性能ボイスコイルが搭載されており、ボタンを押した感覚や物を握っている感覚、手に持った物と他の物体を衝突させた際の感覚等、手を用いたインタラクションを行った際に発生する感覚を再現する。
搭載されているボイスコイルは、電気信号に応じて動くコイルと固定された磁石で構成されている。電気信号がボイスコイルに送られると、コイルが磁場内で動き、この動きが振動として伝わる。触れている表面や物体を振動させることで、触覚フィードバックが生成される仕組みだ。
ボイスコイルは電気信号に素早く反応することができるため、リアルタイムの触覚フィードバックが可能なほか、振動の強度や周波数を細かく制御することができ、多様な触覚体験を提供することができる。
また、スピーカー技術を基にしているため、比較的小さなサイズで高いパフォーマンスを持つ触覚デバイスを実現することが可能だ。
本体背面にはボタンが1個搭載されており、メニューの呼び出し等に用いることができる。
装着するための透明のフィルムバンドには、多数の穴があいており、バンドを留める位置を変える事で長さを調整する事が可能だ。
加えて、「ContactGlove Lite」はMeta Quest2やPico4といったVRゴーグルに対応しており、フロントカメラを用いたハンドトラッキングの安定性(精度)に影響を与えない設計になっている。
(Meta Quest2を用いたトラッキング安定性変化の検証動画)
なお、「ContactGlove Lite」のSDKには、「ボイスコイルの振動周波数、強さ、タイミングを制御する機能」「任意の音声波形(物にぶつかった音、ボタンを押した音等)を再生する機能」「ContactGlove Liteに搭載されたボタンの情報を受け取る機能」が搭載される予定だ。
また、「任意の音声波形を再生する機能」のSDKには、あらかじめ数十種類の音声波形が組み込まれる予定で、音声をサンプリングしなくても開発を始めることができる。
さらにDiver-Xは、デバイス開発だけでなく、そのデバイスを用いたコンテンツ開発も承っているとしている。
価格は税抜き1万円を予定しており、現在無償提供されているデモキットの反響や予約実績をもとに生産するかどうかが決定される。生産される場合、販売開始は年内を予定している。
なお、本体購入費とは別途、SDKを購入する必要があるということだ。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。